6/20~23 福岡から沖縄の離島宮古島へダイビング その3

日本人は、欧米人に比べ、セロトニンを調整するタンパク質「S型」遺伝子が多く、日本人全体の90%の人が「不安傾向」が強いことがわかっている。

日本は自殺大国と呼ばれることや、よくできた社会主義国家と呼ばれることからも理解できるところだ。

反対に欧米人に多い、「L型」の遺伝子が多いと、大胆なリスクが取りやすくなるため、ある意味で大雑把な性格になってしまうこともわかっている。

例えば、うんこを踏んだ靴で、ベッドの上に寝転がっても平気なように。

(彼らの言い分は、「足についたばい菌が、口元まで上がってくるのか?」だ)

日本人は、この不安型遺伝子のおかげで、真面目で勤勉な社会が生まれたというわけだが、ダイビングに関しては自然で遊ぶ以上、あまりに不安傾向が強いのはよろしくない。

なんでもかんでも「怖い」に発展してしまうためだ。

自然は、コロコロと変化し、時に凶暴な牙を剥く。

そのため、ある程度のリスクを覚悟し、冷静に対処するスキルとそれに伴う精神力が必要になる。

そういった意味でも、自然で遊ぶというのは、自殺予防の一助になっているのかもしれない。

 

6月21日ツアー二日目。

朝、目覚めると、宮古島はどんよりとした梅雨空が広がっていた。

朝ごはんはパスして、ギリギリまで寝ていたのだが、蓄積した疲労はそう簡単には取れるわけではない。

粘着質のゼリーが体全体を覆っているかのように、手足のキレはさほど回復されてはいなかった。

ギリギリに起きたため、水着に着替え、Tシャツを羽織ると、顔も洗わずホテルのロビーへと降りた。

ロビーには、連日の海の疲れを微塵も感じさせない好青年のガイドくんがハイエースで迎えにきていた。

元気いっぱいの挨拶と立ち振る舞いに、20台とのテストステロンの値の違いを見せつけられる。

若いってやっぱりいいな。

僕は、足取り重くハイエースに乗り込むと、どんよりした雲の下、伊良部大橋を渡った。

 

大きさはほとんど同じだが、昨日とは違う漁船が迎えにきていた。

毎回、地元の船をチャーターしているのだろう。

なんであれ、この狭い船上で一日過ごすのかと思うと、鬱屈とした気分にさせられる。

ちょっと乗せすぎじゃないのか。

ダイブショップサンライズ 宮古島 ダイビング

 

朝一のあやかちゃんの表情の下に隠された、本当の気持ちを読みとることはできなかった。

ダイブショップサンライズ 宮古島 ダイビング

人の気持ちを外見だけで読み解くメンタリズムが不可能なのは、科学で証明されている。

人の気持ちほんの少しの環境変化で変わるし、表情や言説も大脳で制御されていることが多いためだ。

だから、誰かの心を読むなどといった無駄な努力はしないほうがいい。

それより、自分自身が誰の目から見ても「わかりやすい性格」になる方が先決だ。

わかりやすい性格というのは、「あの人はこう考えているよね」とか「あの人なら今ならこうするよね」と予想を立てやすい性格のことだ。

他人から予想をされやすくなると、裏切りにくそうに思われるため、信頼と好感を得やすい。

つまり、内面(感情も含む)がはっきりとわかる人の方が、モテるということだ。

とある研究では、(軽度な)メンヘラの方が、異性にモテるということもわかっている。

 

港から船が離れると、じめっとした空気は和らぎ、爽快な気持ちにさせてくれる。環境というのは、大きな影響を人間に与えるものだ。

そう考えると、人間は万物の霊長などという大層なものではなく、「頭の膨れた猿」といった方がいいのかもしれない。

宮古島 ダイビング

 

1ダイブの「オーバーハング」というポイントは、昨日と同じ海域に位置していた。

風が昨日と全く同じ方向から吹いているので、ここにしか入れないため、たくさんのダイビングボートが集まってきていた。

透明度は上がり、深い層まではっきりと見えた。

オーバーハング 宮古島

 

突き出た岩がオーバーハングらしい。

オーバーハング

 

近づいて行くと、なかなかの景観に圧倒された。

オーバーハング 宮古島

 

ここが空気中なら、かなりの絶叫スポットである。

オーバーハング

 

マクロ好き達はそんな地形に見向きもせず、岩の側面についた生物を探す。

オーバーハング宮古島

 

キンギョハナダイ

 

リュウグウウミウシ

 

写真を撮り終えると、すぐに船の下に戻った。

宮古島では、地形の近くに船を留めるため、すぐに帰ってこれる。

見どころのスポット以外をウロウロしても特に何もないので、船の下で残りの時間を遊ぶことになる。

オーバーハング宮古島

魚が少ないので、探すものはある程度限られてきてしまうが。

 

2本目は、Zアーチという場所によっては「Z」に見える場所。

Zアーチ

 

どこから撮ったら、Zになるのかわからなかったが、地形は綺麗だった。

Zアーチ

 

延々と大した生物がいない岩ばかり見ていると、砂が恋しくなる。

白沙

砂を握ると、サラサラのサンゴの砂は、破れたグローブの指の間から侵入してきたが、気持ちが良かった。

使っているのは、レンタルで使用しているウインターグローブのへたり具合を調べるために持参したアクアラング製のグローブだ。

生地の強さは使い込んでようやくわかる。

これは新製品が出た時に、触っただけで、この製品はどこまでもつのかを判断する材料になるのだ。

ウツボ

 

3本目は、「ガケ下」というポイントで、カエルアンコウ探し。

カエルアンコウ

 

カエルアンコウは、一人ポツンとカイメンに擬態していた。

カエルアンコウ

 

マクロを撮るには最適なスポットだった。

ガラスハゼ

 

カメラ

 

クマノミ

途中、うっちーが浮いていった。

いつものうっちーなら浮いていくことなどないので、聞いてみると現地のガイドにウエイトを減らすように指示されたらしい。

4キロを2キロに変えたせいで、浅瀬で耐えきれず、浮いてしまったらしい。

ウエイトが重いと、確かにエアーを使うが、軽すぎてもエアーを使う。

サンライズで潜りながら、調整に調整を重ねたウエイト量を変えられたことには、腹が立つところだが、軽くても潜れる技量を身につけることも、大事なスキルだ。

 

時間をずらして潜ったせいで、船上での狭さは感じなかったが、なぜかサンライズチームはシリンダーの移動などの作業に従事させられていた。

チーム全体が元気だったからか。

 

 

食事の後に食べたジェラートは、とめどなく溜まっていく疲れをほんの少しだけ紛らわせてくれた。

アイス

明日は予想に反して、晴れて、穏やかで、体が軽快になってくれないかなと僕はひとりごちた。

 

三日目のダイビングへ続く。

 

RIO