今日は歯医者に行く用事があったので太宰府に行ってきました。
きっちり3ヶ月分の歯垢と歯石をそぎ落としてもらい、朝顔から的確なブラッシングに関する説教を賜ったあとに太宰府天満宮へと向かいました。
天満宮の参道には湧いて出たような人だかりで埋め尽くされていました。
その賑わいの規模はちょっとしたお祭りでもあっているんだろうかと疑ってしまうほどでした。
しかしよくよく見るとそれは見当違い。いわゆる平日の普通の人出でございました。
へ〜太宰府ってやっぱり福岡の中でも人気なんだよな〜と感心している場合ではありません。
日本政府のお役人様が口を酸っぱくして言うところの不要不急の外出なのではないでしょうか?違いますか。
すでに緊急事態宣言の1ヶ月延長決定が決まっているというのにこのような有様とはけしからん。
「ふん、それがなんだっていうのよ。あたしにとってはできたての梅が枝餅を食べたり、スタバでや長ったらしい名前の飲み物を飲んだり、映えるショットを撮ることは生きていくのには欠かせないことなのよ。政治家だってキャバクラに行ったことがおおやけになって謝罪していたでしょ。一般人はだめなのに役人だけはOKなのはなぜかしら?」
なんて言われてしまった日には返す言葉がありません。
そうとなれば僕もあちら側の人間として焼きたての梅枝餅をほおばることにしました。
言うまでもないことですが、ほくほくしていて甘くて美味しかったです。
さて、こちら側に帰ってきたので早速ブログを書いていきますね。
今回は脊振山を短時間で登るコースを選んだので、佐賀側の方から登る予定でした。
天気もよく、時間にも余裕がありましたので、「モンベル 五ケ山ベースキャンプ」に立ち寄りました。
このモンベルは那珂川の市街地を抜け、くねくねした山道を30分ばかり登っていきますと、広大な奥行きと深さを有する五ケ山ダムを真上から見下ろす形で建てられています。
こんなへんてこなところに全面ガラス張りで作られた外観とそのたたずまいはどことなく素人の登山者は入ってはだめ、みたいな雰囲気が漂っています。
でも、一応営業しているんだし店内には人がうろうろしているみたいだし勇気を出して入ってみました。
まあ当然ですが、店員さんは優しく、商品はきちんと整理整頓されていました。つまりいつも通りの親切で温和なモンベル。
規模からいって天神店と同等かそれ以上の品揃えでした。
僕はここでまゆこんぐとお揃いのグリーン色のジップアップフリースを買うことにしました。6000円くらいだったかな。
でもそっくり同じものは売っていなかったので、仕方なくそれに近い色を選んで買いました。
写真のまゆこんぐが着ている緑色の方が発色がはっきりしていてよかったんですけど、まゆこんぐが買ってから1年以上は経っているので、すでに新製品と入れ替えられているみたいでした。
ついでに登山用ロングパンツ(ブラック)も購入しました。値段の割りに超高性能。しかも一年中使えるとあっては感心しないわけにはいきません。さすがはモンベル。
しかしこれだけ大自然に囲まれたモンベルショップで買い物をしていますと、天神にあるモンベルショップで買うよりもはるかに頑丈なパンツが買えたような気がしてきます。(東京の人が博多で食べる一蘭のラーメンは一味も二味も違うというのに似ているのかな)
でもこのままゆっくりと商品を眺めていますと不必要なもの(例えば水筒とか鈴とか)まで買ってしまいそうだったので、そそくさとモンベルをあとにしました。
それにしても、僕はこの日トックリのセーターを着て登ろうとしていたのですが、あれで登っていたら山頂に着くまでに暑かったり寒かったりしてまゆこんぐにあたっていたんだろうな。
「モンタベアよりも小さいまゆこんぐをいじめるのはやめましょう」
モンタベアよりも小さいあやかちゃんも同じフリースを買いました。色はピンク。
これは買う前の写真。着ているところは後に出てくる写真で確認してみてください。
モンベル五ケ山店から10分登ると本日の登山口に到着しました。
四輪駆動車がゆうゆうと走れる幅をもつ舗装道路がはしってはいますが携帯の電波ははいりません。
YAMAPのアプリを起動させたら電池節約のために飛行機モードにしていきます。
そうしておかないと、携帯電話はありもしない海底遺跡を探すダイバーみたいに電波を探して電池を食い続けます。
とはいえ、電池がもつ携帯電話をお使いの方はあまり気にしなくてもいい。僕もそのひとりです。
それにしてもサンライズの登山はYAMAPなしでは語れなくなってきています。
携帯の電波がなくてもGPSで位置を示してくれるYAMAPはとても便利です。
登る前に苔むしたお坊さんにご挨拶。
おん あぼきゃ べいろしゃのう
まかぼだら まにはんどま
じんばら はらばりたや うん
今回から膝の炎症をふせぐために二本杖で登山です。
杖があると体重が4つに分散されますので、その効能は思っていた以上のものだと本人は語っておりました。
このあたりは杉が多く生えているみたいでした。
最近ではどの木が杉なのかちょっとづつわかってきました。
年をしっかりくった直径4mの大杉に出会いました。そもそも木って何年生きるんですかね。災害や虫くいにあわなければ無限に生きるんでしょうか。僕にはわかりません。
それにしてもなぜだかわかりませんが、根っこに近い部分にはひとつも枝がありませんでした。
日のあたらないところには、季節に置き去りにされたように雪が溶けきれずに残っていました。
その雪はどこにもいけずに困っているみたいでした。
そうこうしているうちに、体重の軽い動物に踏みつけられていました。
おそらくこの感じは、いぬ、ねこ、しか、ひつじ、うまのどれかだと思います。
いずれにせよ人を無下に襲ったりする動物ではないことは確かです。
気にせず進みます。
普通に歩くだけで汗ばむ陽気でしたが、岩から落ちてくる水が溶けることなくつららとなって垂れ下がっていました。
基本的にはつらら採取はたつぼうの仕事です。たつぼうはある意味で、このために参加しているといっても過言ではありません。
それにたつぼうは年末の大掃除に参加していませんからね。そういう役回りなのです。
よくみると、木から木が生えたり、きのこが生えたり、苔が生えたりしていました。
2時間も登るとそこは頂上となります。
標高が1000mあっても気温は8度前後。
太陽の熱を効率的に吸収しつつ、季節風さえよけてしまえば上着なしで過ごせます。
ちょうど僕たちと同じ高さにあった重そうな一塊の雲は佐賀市内のほうへと押し流されていました。
前回とくらべてみますと景観そのものにうらぶれた雰囲気が含まれていましたが、それでも東北の山々よりは元気な山だとおもいます。
トミーちゃんが今回もみんなのためにホットサンドイッチを作ってくれました。
背中を覆い隠していたリュックから食材を取り出し、手際良くぱっぱっとはさんで、さっと火にかけていく様子は元祖回転焼きの名手を思わせました。
今回は具の中に魚類を入れてくれていました。
山頂で食べる魚ってこんなにも美味しいんだ。ちょっと驚きです。
たぶん魚と山って普遍的には絶対交わることのない種類のものなので、ゲリラライブ的な美味しさがあるんだと思います。
次回は脂の乗った秋刀魚を丸焼きにでもしてみたらさぞかし美味しいんじゃないか。
帰りは来た道とは違うルートでのんびりくだることになりました。
その間、僕は景色の断片を記憶していきました。
景色の断片を記憶していくための手順として、まず覚えたい景色の一部分を切り取ります。
そこには自分がこれから記憶をするんだという意思がもてるようなところが望ましいです。
フィルムカメラのシャッターを押すように静かに瞬きを繰り返しながら、そこにあるものごとを意識の領域から無意識の領域へと移動させるみたいに仔細に観察していきます。
意識するといっても、ものごとの価値について早急に判断をくだす必要はありません。
明瞭な結論みたいなものはできるだけ先送りにして、そのものごとのありようをそのまま記憶するよう心がけます。
目を閉じても現状に近い色と形と匂いが、ネガフィルムから写真が浮き出ているように脳裏に焼きついていればOKです。
なるだけ現状に近い形で頭のなかにとどめておくにはそうした観察力を鍛える必要があります。
そしてこれは人生のあらゆる場面で役にたつとおもっています。
これくらいのんびりの下山だと自分がみたいものを自分でみつけて自前の目で時間をかけて眺めることができます。
手持ちの想像力をこまめに働かせ、自発的に妄想し、先見抜きで観察してみてください。
そもそも山という場所は、僕らの出来合いの基準を適当にあてはめたり、流れ作業的な情報処理ができる場所ではありませんからね。
最初はちょっと疲れるかもしれません。普段やりなれていませんから。
でも身体がその空気に馴染んできて意識が時間の流れに順応していくにつれて面白くなっていきます。
目を凝らしてひとつひとつ眺めていると自分のためだけにあるような心惹かれるなにかに巡り合うとおもいます。
がんばってみてください。
というわけで、脊振山今年1回目が終了。
残り11回です。
昨年とは打って変わって体をすり減らすような登山はおこないません。
体力にあまり自信のない方も是非参加してみてください。
RIO