3/15 信用されない人

僕は歳を重ねたことで僕の知らない間に信用されない人間になっていました。

日曜日、辰ノ口の現地スタッフの方から「もうカエルアンコウはいなくなったよ。先週まではいたんだけどね」と聞かされました。

この日はひろろいとのマンツーマンファンダイブのガイドということで、ずっと見たかったけど見れなかったカエルアンコウを見る久しぶりのチャンスでした。

一旦ガッカリはしたものの、とりあえず僕はいることを信じて見に行きました。

するとそこには裏切りも背信もなく立体的な質量を持った生身のカエルアンコウがいました。

公正な視野を持って見れば反論の余地はない現実的な価値をもっていました。

上がってから僕が一本目に見たカエルアンコウのことをみんなに話しました。

そんな見えすいた嘘には騙されませんよとばかりにみんな僕のことを信じませんでした。

そうなんだ。僕はいつの間にかオオカミおじさんとして生きていたんだ。

ちょっと驚きました。驚いたの同時に目からごそっとうろこが落ちたようでした。

発見と同時に哀しみのようなものもありました。

そして今日、ブログを書く日になってみるとそれは怒りのようなものに変化していることに気がつきました。

今日は僕たち以外の人たちがどうだったのかなんてことは書きません。何を見たのかなんて僕は信じませんしどうでもいいことです。

世界の違うところにいたわけですからね。もし何かを伝えたければ自分の空間を使って自分の手でお書きになったらよろしいんです。

 

そんなわけでひろろいとの仲良しダイビングの様子のみをお届けします。

ダイブショップサンライズ ツーショット

ここ数ヶ月、身辺周りのことが忙しかったひろろいは久しぶりのダイビングでした。

ダイビングの手順への戸惑いは見られましたが、体力の衰えはありませんでした。

僕は体力を考慮して歩かなくてもいい中央口から入りましたがどこから入っても問題はなかったようでした。

 

テトラに行くまでの間の砂地にはカラスキセワタがべったり張り付いていました。

一見ウミウシに見えませんがウミウシです。

実物はけっこう可愛いです。

ダイブショップサンライズ カラスキセワタ

そこから西へと向かって泳いでいきました。

水温は15℃くらいだったので魚にとっても人にとっても気持ちのいい水温でした。

 

浮遊系生物を多く含んだモヤモヤとした潮だったのでクリオネにそっくりのウキビシガイがいたと向こうのグループが騒いでいました。

残念ながら僕たちは見ていません。浮遊系なんてほとんどが偶然の出会いですから見れなくても仕方ありません。

僕的には知床で本物を見れるからまあいいんですけどね。ひろろいには見せてあげたかったなあ。

 

目印から沖へと降りていくとイカリが見えてきました。

そこにはヘアリーフロッグフィッシュがいました。

砂に埋もれたイカリの影にじっと身を潜めていました。

ダイブショップサンライズ ヘアリーフロッグフィッシュ

 

取り留めのない体毛がなびいていて口が半開き。世離れした浮浪者のような雰囲気は陶芸家のようでした。

イカリを守る門番のようにも見えました。

ダイブショップサンライズ ヘアリーフロッグフィッシュ

 

ひろろいは僕にとってのアンコウの女神。

女神の周りには不明瞭な砂地のグラデーションに示唆されたようにバランスの取れたハタタテダイたちが怯えた様子もなく泳いでいました。

僕は現実と非現実を取り巻くグラデーションの色合いがすでに曖昧になっていました。

竜宮城とまではいかないけれど、そこには美しい響きと音色がありました。

ダイブショップサンライズ アンコウ

そのまま同じようなルートで中央口まで戻ってくる間に僕は様々な生物たちのオリジナリティーについて教えました。

珍しい生き物でなくても生物というのは実に興味深い生き方をしているものです。

 

体力に問題がないとのことで波が落ち着いてきた北口から入りました。

下げ潮がぐんぐん流れて新しい水と入れ替わっていました。

すでに浮遊系の潮でなくなっていました。

サルパやクラゲはいなくなり透明度も上がっていました。

ダイブショップサンライズ クマノミ

 

少し深いところでカリフラワーのようなソフトコーラルを見つけました。

そのふっくらとした内側の部分にはナカソネカニダマシが群れで生活していました。

僕は手頃なナカソネカニダマシを1匹をつまみだし、ひろろいに差し出しました。

カニの全身をロジカルに観察したひろろいは、近くにいたオニオコゼの近くに落としました。

先ほどまで心おだやかに何事もない時間を過ごしていたナカソネカニダマシを執拗に刺し棒で突っつきまわし、オニオコゼの口元へと届けようとするひろろい。逃げ惑うナカソネカニダマシ。

ダイブショップサンライズ オニオコゼ

僕はナカソネカニダマシが僕だったらと想像しながら見ていました。

相手は全身を武装した超肉食のオニオコゼです。

そんな怪物の前の平然と差出そうとするひろろいの容赦のない采配には怖気をふるわずにはいられません。

悪辣な意図が透けていないだけ余計に恐ろしい。

鬼といっても桃太郎に出てくる可愛い鬼ではありません。サイコな鬼です。

ナカソネカニダマシはこのとき、

「わたしが何をしたというのだ。おまえの本当の意図はなんなのだ。」と激しく叫んでいたことでしょう。

でも悲哀と矛盾を訴えるナカソネカニダマシの声なんて聞き入れてもらえません。

ひろろいはただどうやったら口元に届けられるのかを計算するばかりでした。

ようやくオニオコゼの口元に届けられたのですがオニオコゼ的には、そんなの別に食べたくないぜって感じだったので、ひろろいはナカソネカニダマシのことなんてすっかり忘れてしまってどこかに行ってしまいました。

書いていて、ふと、ひろろいの内部にはサイコな無邪気さがあることを思い出しました。

久しぶりだったのでそういったことすらすっかり忘れていました。

今度行ったら見てみてください。ナカソネカニダマシ。食べ物にしたくない可愛さがあります。

 

 

その後は灯台をぐるっと回って、お花畑をみたりウミウシを丹念に探してみました。

ダイブショップサンライズ ライト

 

けっこう真剣に探しましたが、フクロノリが岩肌に固まったほこりのようにくっついていたせいでレアなウミウシは見つけられませんでした。

ダイブショップサンライズ 差し差し棒

 

二本目はビーチドリフトだったので、西口からエキジットしました。

ダイブショップサンライズ 長崎ダイビング

というわけで、僕もリフレッシュできたし、とてもいいダイビングでした。

たまにはこうやって風通しをよくしておかないと生乾きのジメジメした組成になって、いざという時に馴染んでくれません。

今回はひろろいも久しぶりだったので、良くも悪くも乾燥できたような気がしました。

 

これで終わったら、大人気ないですね。

2万円以上あった僕の評判が日本の株価のように下がってしまいます。

そこで向こうのグループが撮った素晴らしい写真の数々をご紹介します。

 

こちらは小型のホウボウ。

ホウボウは浮遊が終わると着底して岩に擬態して少年(少女)時代を過ごします。

誰が撮ったんだろうね。

ダイブショップサンライズ ホウボウ

 

このウミウシなんだっけな。調べたんだけど名前を忘れました。

ダイブショップサンライズ ウミウシ

 

このウミウシなんだっけな。調べんだけど名前忘れました。

 

このくらい載せたらもう十分でしょう。

 

ではまた。

 

RIO