4/9 海中止しました。

春の海は、月の周期でホルモンバランスが変わる、思春期を迎えた女子の心のように、振り向きざまに変化していきます。

前日、良好だった海況予想は、おくびにも出さず、意趣返しを食らうことが多々あり、綿密に立てられた、ダイビングの計画は無に帰し、その移り気で、気まぐれな顔は敏腕メンタリストでも読み解くことは難しい。

移り気な自然のカオスに対しては、自分の心を重ね合わせ、無為に過ごすしかありません。

 

そう、この陸上に添えられたウミウシとダンゴウオの撮影をするかのごとく。

 

久方ぶりの志賀島なのに潜れない、残念なまゆこんぐカメラマン。

 

撮影された写真は、

荒海から逃れ、一服するダンゴウオ青年。

仲間のことを案じつつも、自分は安全地帯に逃げ込む、ずる賢く、どこか小心者の彼は、北東の風が南風へと変わり、波のうねりが滑らかになると、意を決し海へと滑り込む。

どう猛なアナハゼたちの目をかいくぐり、短い胸ビレと尾びれの筋肉を上手に使い、うねりの影響を受けない水深と、エサを探しやすい水底近くにある岩かげのエツキイワノカを探す。

それを見つけると、誰にも見せることがない体の半分を占める腹側についた丸い吸盤で、体を固定し、仲間のダンゴウオらには何事もない顔でいつもの日常を過ごす。

そんな想像を終えると、僕たちは天神へと戻り、風も波もない安全な部屋の中で、1日を過ごしました。

 

どうか、ダンゴウオ青年、ご無事でいてください。

明日の海は、大波のため中止です。

RIO