水中写真家、阿部秀樹氏主催のフォトイベントへの参加は今回が2回目。
まず結果から申しあげますと、サンライズはチーム優勝と個人優勝を果たしまして、文句のつけようがないほどに勝ちました。
その勝利の裏にはみなさんの日頃からの勉強に加え、店長と僕からのストレートな小言があったからではないかと思います。
成長するのに最も悪なのは「お世辞」。
中途半端な優しさが一番の悪であるのと同じ原理ですかね。
では、その様子を振り返ってみましょうか。
長くなりますけれど、お付き合いいただければ幸いでございます。
このブログを読んでいる他ショップの人たちへ。
カステラカップ(フォトイベント)にまだ参加されたことがないのであれば、このブログをしっかり読んでもらって、次回参戦のきっかけにしてください。
新規、新規ってやるのもいいけれど、そればっかりじゃダイビングの仕事が面白くないと思うので。(余計なお世話か)
8時30分からルールの説明とお題の発表。
ルールを一言で言いますと、
3名1組で、6つのお題を50分以内に撮ってきて、そのうちの3枚を提出する。
今年のお題はこちらでした。
1、ミドリイシサンゴ
2、餌木
3、オドリカクレエビ
4、ハタンポ
5、ニラミギンポ(いない時はハシナガウバウオ)
6、白化したイソギンチャク
これをやると失格です。
◉18mより深く行った場合
◉制限時間を超えた場合
◉ガイドがお題の被写体を撮った場合
◉残圧が30を切った場合
◉さしさし棒を持っていった場合
◉ダイコンをつけてない場合
◉エントリーから120分以内に写真を選別して提出しない場合
◉ブイを撮影していない場合
◉トリミング、画像処理をおこなって提出した場合
◉コースの逆走や後戻りをした場合
なかなか厳しい。
サンライズチームのトップバッターはこなつとたつぼうでした。
2名チームの時は「43分」以内に上がらないといけません。
3名チームの時は「50分」以内に上がらないといけません。
どちらもお題ひとつに対しての撮影時間は「6分」と決められています。
10時05分。
時間きっちりにエントリーしていきます。
透明度3m。
北風吹いて、水面バシャっとしてました。
コンディションの点数は30点といったところ。
まずはブイを撮って、撮影スタート。
カメラの設定をいじっていると時間はあっという間に過ぎていきます。
頭上でカンパチが渦巻いていてもお構いなしとなります。
たつぼうは前日、志賀島で3ダイブ210分潜って写真の感覚を取り戻したと言っていました。
(1ヶ月くらいはインストラクター試験のためだけに潜っていたので、カメラの感覚を忘れたとのこと。)
気合いだけは誰にも負けません。
濁っていても、ガイドラインがあるので迷いませんが、一個一個のブイが遠いので、めちゃめちゃ泳がされます。
疲れたからといって、景色を見ながら泳ぐと撮影時間がなくなります。
ずっと息が上がって気持ちが落ち着きませんが、そのあたりをグッと押さえて撮影に集中するのがミソです。
ギリギリの42分で上がってきました。
撮影した写真は、優勝した方のみですが、後ほどご覧にいれます。
上がってきたらガラガラポンをします。
出た番号の被写体は必ず提出しないといけません。
もし、ここで自信のないのが出たら優勝は難しい。
フィッシュアイさんが撮影機材を貸し出してくれていました。
サンライズの2チーム目以降は「1時間以上」待ち時間がありましたので、ゆっくり選ぶことができました。
レンズとライトは何個でも持っていっていいというルールですので、コンバットのカメラはこんな風になりました。
でかない??
AM11時。
サンライズ2チーム目はこちらの3名。ガイドはRIO先生。
写真初心者のつばさがいますが、そんなの関係ありません。
カステラカップは運を味方につければ、誰でも優勝するチャンスがあります。
とはいえ、あまりに下手くそだと、運だけではカバーできませんけどね。
それにしても濁ってました。
写真を見てもらえるとわかりますが、たつぼうとこなの時に比べて明らか濁ってます。
深いところは奇跡的なGREEEENでした。
これはオドリカクレエビを撮っているところだね。
5番目のニラミギンポだけはちょっと探さないといけないかなと思っていましたが、3秒で見つけました。
さすがガイドが一流なだけあります。
時間配分も完璧で、カメラマンは撮ることだけに集中できたと思いますよ。
上がってきたら、ガラガラポンです。
運命の別れ道。
サンライズは運が良かったです。
撮るのが難しかった「ハタンポ」は誰もひきませんでした。
11時35分。
(もうお昼じゃん)
サンライズ3チーム目発進。
店長、2回目のガイドなので2往復しました。
上がってきてから、肩が痛い、肩が痛いと、嘆いていました。
「あんなに遠いなら、2回潜るとか言わんかったらよかった⤵️ やれやれ。」
ラストエントリーだったので、最も濁っていました。
コンバットはフィシュアイさんに借りたライトを含めて「3灯」駆使していました。
結果的にコンバットの方策は当たりました。
ライトを増やしてシャッタースピードを稼いだおかげで、バッチリピントのあった写真が撮れていました。
二人が撮り終えるまでに、構図を決めて無駄打ちをしない方針も良かったですね。
全体的に余裕が生まれていました。
さすが、サンライズが長いと抜け目がなくなります。
ご飯を食べながら、写真の選別をしていきます。
大ちゃんデュアルモニターで作業がサクサク。
提出の際、ダイコンをチェックされます。
(残圧は上がってきてからすぐにチェックされます。)
フィッシュアイさんから、お疲れさんと「水中写真プリングルス」をくれました。
ありがとうございます。
阿部さんが採点している間、普通のファンダイブができます。
フィッシュアイさんの機材をモニターすることもできます。
17時ごろに結果発表なので、時間はたっぷりあるのですが、なぜかこなつとたつぼうだけは急いで海に向かっていました。
理由を聞いてみますと、100分潜りたいのと、シャワーをゆっくり浴びたいとのことでした。
この何気ない熱意、貪欲な姿勢がサンライズの底力なんだなあとしみじみ感じた瞬間でした。
こちらファンダイブで撮ったたつぼうの写真。
「ヒレナガネジリンボウ」
こちらファンダイブで撮ったこなつの写真。
「ミジンベニハゼとスナダコ」
二人とも普通にうまいな。
セミホウボウもびっくりだ。
イガグリウミウシも煌めくぞい。
なあ〜
17時30分。
最後の結果発表。
3位は、浮遊系撮影が上手なお店、山口のシーアゲインさんから来られた男性でした。
この男の子が撮った賞はベストワン賞。
入賞作品を除いて、一番綺麗に撮れていた写真。
唐津マリンスポーツクラブのともきさんが連れてきていた子でした。
1位は文句なしでコンバット!
総合点数は群を抜いていました。
ピント・露出・色調・構図・芸術・生き物への理解度
3枚の写真の総合点は、
なんと71.5点!!(75点満点)
すごいぜ!
賞品は伊勢海老(壱万円以上)と高級なんとかカステラでした。
おめでとう。
では、写真をみていきましょう。
これは阿部さんが絶賛していました。
虫の目レンズをうまく使っていると。
言っておきますけど、これTG-4撮った写真ですよ。
TG-6の人たち、カメラに任せてないで、もっと腕を磨いてください。
2枚目の写真はオドリカクレエビ。
ピントが目のところにバッチリあっていて、阿部さんが驚いていました。
透明で白いエビの目には、ピントがなかなか合いずらいのですが、ライト3灯が効きました。
これTG-4で撮ってますからね。何度も言いますけど。
しかも、このカメラ微妙に壊れかけていますからね。
3枚目はニラミギンポ
これは唯一、点数を落としました。
普通にこの写真は良くないと誰が見ても思うはずです。
構図がだめでしょ。前に、いきすぎてるし。
他になかったんかな。
そう思って、店長に聞いてみたところ、店長は「サンゴ」の方が良かったと言っていたのですが、他のメンバーがこれがいいと言うからこれにしたそうです。
これをサンゴにしていたら、過去最高点が出ていたかもしれない、と思うと残念ですね。
みなさん選ぶ力も身につけましょう。人に頼ってはだめです。
かわいいけどね。
コンバットの採点表です。
そして、2022年カステラカップのチーム優勝を勝ち取ったチームは
こなとたつのカップルコンビでした。
若い力が中高年らを打ち破った瞬間だ!
おめでとう!
たつぼうよりも、こなつの方が嬉しそうだったのが印象的でした。
それもそのはず、、、、
たつぼうの一枚目。
いい。
色合いと構図が綺麗でずっと見ていられるなあ。
2枚目。
いい。
ボケ感がちょっと変だけど、構図はGOODだと思う。
3枚目。
普通。
なんだこれ。
嫌い。
小夏の1枚目。
いい。
小夏は生き物の表情を撮るのがうまいなあ。
でも、無駄なスペースがいらなかったね。
空いたスペースにエサみたいなものでも写っていれば良かったんだけれども。
小夏の2枚目。
いい。
ホラーチックなところがいい。前ボケもまあまあいい。
小夏の3枚目。
いい。
全体の雰囲気といい、エビの触覚を生かした構図といい、個人的にはマジでこれ好き。
小夏の総合点67点
たつぼうの総合点66.5点
小夏、たつぼうに勝った!
それが何よりも嬉しかったみたい。
たつぼうはさそがし悔しかろうたい。
他のみんなもなかなか良かったですね。
つばさ総合点66点。
点数が良かったつばさは、写真の選び方が大きいですね。(もちろんRIO先生が選びました)
つばさは元々のセンスはいいと思うので、基本的な技術をあげていくといいと思います。
てるちゃん 総合点62点
てるちゃんはちょっとづつ腕を上げてきているので、今のペースでコツコツと練習していけば、じわじわうまくなると思います。
大ちゃん総合点 65.5点
大ちゃんもようやく高級一眼カメラに慣れてきたのでこれからですね。
撮影時、ストロボやライトのセッティングの素早さがとても良かったです。
しもみん総合点 63.5点。
しもみんはまだまだ技量が足りていないようなので、色々な環境で、色々な生物を撮りまくって、とっておきの自信作を店長にけなされまくることですね。
センスはありますので、何くそと思ってやっていれば、自然とうまくなるはずです。
頑張ってください。
朝顔 総合点64点。
朝顔は筋トレでいったら、フリーウエイトエリアに来るのが怖いレベルですね。
ちょっとづつウエイトを増やして、強くしていきましょう。
それには、論理的な思考力も必要です。
こうやって並べてみると、今年は60点以下がいませんね。
昨年、ちゃんまりが優勝した時の点数は「65点」でしたので、レベルは上がっているように思います。
阿部先生も「サンライズ強いなあ」と漏らしていましたので、間違いありません。
トップ3の順位
1位,コンバット 71.5点
2位,小夏 67点(2021年は64点)
3位,たつぼう 66.5点(2021年は56点)
※コンデジはハンデで5点プラスされた点数です。昨年の点数がない人は初参加です
来年も優勝できるといいな。
阿部カップ本線の和歌山須江の大会に出たいな。
こっちにはディフェンディングチャンピオンが二人(ちゃんまりとコンバット)いるしな。
いい線いくと思うんだけどな。
来年のカステラカップは、まだ出たことない方、積極的に出てくださいね。
新しい刺激がぐんぐんきますよ。