早朝、
店長とちゃんまりとラムちゃんとふじこの4女子は散歩に出た。
前日会えなかったヒグマに会うためだ。
たくさんの釣り人がいた。
何を釣っているのか分からなかった。
相泊海岸の前は日本最北東突端地。
この海岸には温泉がある。
イケスみたいな温泉。
8月4日に海が時化以来、昆布がお湯に浸かっている。
ちょっと戻る。
すると、瀬石温泉がある。
この温泉は7月から9月までは整備期間で入れない。
この辺の温泉は全滅であることがわかった。
見れた動物はシカさんとキツネさんとオオワシさん。
朝の集合は前日と同じく朝の7時。
朝が早いのは午後からの観光船に乗るためであり、シャチとクジラに会うためだ。
今日こそは絶対にシャチが見たいと思っていたら、コンビニで関さんが見れた。
アバちゃんTシャツがお揃い。
顔が黒いのもお揃い。まさに親子。
ちなみに、このTシャツは絶版である。
番屋に着いても親子の会話は続く。
今日シャチ見れますかね〜
船出れば見れるとは思うよ〜
船出ますかね〜
どうだろうね〜
前田さんの運次第じゃない〜
関さんファン希望により記念撮影会が始まった。
海で髪の毛がぐちゃぐちゃになる前に撮っておきたい女子心をわかってくだされ。
こちら新人関さんファンの朝顔。
こちら熟年関さんファンのちゃんまり。
こちら関さん中毒の前田。
知床ダイビング企画のTシャツを着すぎたせいで、以前、関さんに書いてもらったサインが薄くなり、その上から新たにサインを上書きしてもらっているちょっと変な人。
羅臼🦑
海は荒れ模様。
気温も低くなってきた。
これぞ知床感。
1本目のエントリー場所は、以前僕のドライが水没したところ。
海藻で足がすべる地磯。
磯の上に器材とタンクを持ち込み、関さんに見守られながら準備を進める。
関さん、若い。
磯からジャイアントエントリーができない人は「海藻すべり台方式」ではいる。
はまちゃん太もも破る。
昨日は「ワキ」を破って関さんに修理してもらっていたので、このツアー二度目の破損であった。
水が入ってくる〜!
水温が20度まで上がっていた。
浅瀬は少々濁り気味。
ガツーンと急坂を降りていく。
唐津、松島の「45度の坂」をはるかに超えている。
まずは、どこにでもいる「エゾメバル」を観察する。
エゾメバルはカサゴのような瞳と体躯をもちながら、うさぎのような人なつこさを持ち合わせている魚。
色はアイナメカラー。ヒレもアイナメ風。だけどどこかメバル寄り。
トータル的に志賀島のメバルよりも数段かっこよくて、数段数が多い。
「オニカジカの幼魚」
北海道はカジカの種類が多い。
これは、関さんがニコニコしながら教えてくれた。
教えてくれる合図は、肩をトントン。
こんなトントンなら毎日大歓迎。
マスク越しにわかる柔和な顔。
「シマゾイ」
志賀島にはムラソイしかいないが、こっちには色々なソイがいる。
黄色いのでキジハタのような印象も受ける。
ホバリングが上手い。
「ギスカジカ」はどれもサイズが大きい。
じっと見ているとトトロに見えてくる。
オカリナ吹〜いてる〜
トトロにぜんぜん似ていないのもいる。
昨日も見た「シモフリカジカ」
顔がちょっと扁平なのである。
目と口が離れているのも見所の一つ。
「スナエビ」
食べても美味しいエビ。
撮っても美味しいエビ。
クリアクリーナーシュリンプに似ている。
「アヤボラ」
つぶ貝の仲間。
貝殻が石みたい。
だけど美味しい。
この個体はもっぱら産卵中。
「ヤドカリ」
ヤドカリの種類は多すぎる。
調べようがない。
分からなかったやつは次回に持ちこそう。
しっかり予習して春の知床ダイブに臨むのだ。
そうやって一つ一つ賢くなっていく。
海牛編。
「ハナサキウミウシ」
北海道、アラスカ、カナダに生息するウミウシ。
コケムシを主食とする。
志賀島にいる「エダウミウシ」に似ている。
エダウミウシを知らないダイバーは冬から春にかけて「四つ岩付近」を探すのだ。
「フジタウミウシ」
玄界灘で見れるのとちょっと雰囲気が違う。
玄界灘だと18度くらいになったら出てくるので、知床ではこれからがフジタシーズン。
他には、
「ヒロウミウシ」
夏の知床の海にいたウミウシはこれくらい。
異常にウミウシ好きな人は知床の海には向いていない。
「イトマキヒトデの放精」
玄界灘では春。
こっちでは夏に行われる。
生命の躍動感を楽しんでいたら、海面の躍動感がなくなってきていた。
そう思ったとき、海のピグモンがこちらを見て笑っていた。
ふふふふふ。
浮上。
海面は、朝に比べると格段に静かになっていた。
風向きが変わったのだ。
午後からの観光船が出るかもしれない。
ここで我々は重要な選択を迫られた。
観光船に乗るためには1本目と同じポイントで潜らなければならない。
ホタテわんさかポイントは車で移動する必要があるので、観光船の時間に間に合わない。
しかし、1本目と同じポイントで潜ったとしても、午後から船が出るとは限らない。
(個人的には同じポイントで潜ったとしても、クロガシラカレイと楽しめるから良かったんだけど)
では、船に乗った後、番屋に戻ってきてホタテのポイントに行くのはどうか。
それだと日が陰ってしまい、辺りが暗くて見えなくなるという。
さて、どうすべきか。
まず大前提としてこの旅は変更が起きるということである。
変更を考慮して結論を導きださなければならない。
天気予報では午後から午前中と同じ風向きに戻る予報であった。
普通に考えたら出ない確率の方が大きい。
しかし今回予約した観光船は90名乗り。
出る可能性は十分にある。
ふじこは船が出る方にかけたいと言い出した。
ザッキーも船が出る方にかけたいと言い出した。
うーん。
困った。
僕は直感に任せた。
答えは
「出ない」
これまで決めたことはことごとく変更をされてしまうことを考えると「出ない」と思う方が正しい気がしたのだ。
船は絶対に出ない!
キャンセルだ!
ホタテに行こう!
いささか強引にホタテわんさかに潜ることにした。
ここは午前中、昆布の漁師さんが作業しているため、午後からしか入れないポイント。
ここには商品にできない羅臼昆布が大量にうち捨ててあった。
ラムちゃんが食べてみなよ!と言うので、僕も食べたみた。
そしたらこれがめちゃくちゃ美味だった。
ネバネバしていて、コリコリしていて、噛むとしっかりダシが出てくる。
これが最高級昆布なんだと思い知らされた。
本当にいくらでも食べられる昆布なのである。
もしここに管理栄養士が来ていたら、根こそぎ持って帰ることであろう。
羅臼ダイブ最後のエントリー。
足元には、明日水揚げされて、加工される予定の昆布が網に入れて活かされていた。
もしここに腹ペコの管理栄養士が来ていたら、網ごと盗んでいくことだろう。
宮崎にある鬼の洗濯岩のようなところを通り過ぎ、知床岬方面に泳いでいく。
バフンウニが昆布を食べていた。
バウンウニは志賀島にいるクロウニと違って岩についている藻を根こそぎ食うような下品なことはしない。
なので、知床の海岸に磯焼けはない。
ナマコがいた。
高級マナマコである。
ここは見つけるもの全てが美味しい生物。
10分ほど進むとまばらであるが、ホタテ貝が見えてきた。
先に進むと重なりが激しくなってきた。
下の岩が見えなくなってくる。
関さんの写真集では見たことがあったけど、実際に見るとびっくりする。
一個150円のホタテが砂の上に死ぬほど転がっているのだ。
頭の中にハテナが浮かびまくる。
よく見ると、ホタテ貝の上にホタテ貝がついていたりする。
ここには老若男女のホタテ貝が住んでいるのだ。
ホタテ貝はなぜか面白いことをしてくる。
フィンに噛みついてぶら下がっていたり、ヒトデを乗せると、フタをパタパタして逃げていく。
カレイと睨めっこもする。
なんて可愛い貝なんだろう。
食べるのが惜しい。
これは死ぬまでに、「一度は見るべき光景」だと思う。
これだけ見ると、ホタテを食べる気失せるから。
Vol.5に続く。
RIO