サンライズ一水中カメラに詳しくて、サンライズ一水中生物を撮るのが好きな男。
先日行われたカステラカップは仕事のため参加できなかった。
最近、会社でえらくなってしまったので出張が多いとのこと。
カステラカップの日は台湾の沖合でプランクトンの調査をしていたとかしていないとか。
今年はライバルのこなつが個人2位を獲った。
たつぼうは、おくびにも出さないが、いささかの嫉妬心が湧いているやもしれん。
ということで、「ひとりカステラカップ」を開催してあげることにした心優しい前田店長。
となりには生物大好きロイ子がついてきていた。
カステラカップには関係ないが、ダイバー3名の動きを書いておく。
バディダイブの参考までに。
店長先頭、たつぼう、ロイ子の順に並んで進む。
店長は二人がついてきていないことに気がつき、来た道を戻る。
すると、ライト100%点灯ロイ子がいた。
(ロイ子は下げ潮が効く濁った海の中でフィンが外れ、履き直している途中にみんながいなくなり、
動いたら死ぬと思って、助けがくるまでじっとしていた)
たつぼうは後からミジンエリアにくるだろうと思い、二人だけで移動を開始。
ミジンエリアに到着。
いくら待てどもたつぼうがこない。
仕方がないので、カメラを持たないロイ子を連れてカステラカップのルートを時間通りに泳いだ。(60分)
撮影しないカステラカップが終わると、たつぼうが北口の階段で腰掛けてタバコを吸いながら待っていた。
眉間にシワを寄せて。
「すいません。」
「なんしよったん?」
「後ろを見たらロイ子がいなくて焦りました。戻っても戻ってもロイ子がいなかったのでフロートあげて上がりました。」
「ミジンのところに来てくれると思ってたんやけどなあ」
「そこまで頭が回りませんでした。」
「もう一回潜ってあげるけん。タンク持っておいで!」
「はい。」
タタタタタタタ(走る音)
ロイ子は岸に戻し、たつぼうのカステラカップがスタートした。
ベストショットはこの日来ていた人たちと一緒に選んだ。
評価は僕の偏見と独断によるものである。
1、マツバギンポ
潮が動く。
エサが口元に流れ着く。
エサを取ろうと目をぎょろつかせる。
普段、引っ込みすぎているせいで、エサをとるのは苦手。
でも、これ以上出るのは怖い。
この写真はまあまあ。
印象に残りそうで残らない。
存在感のない写真。
でも、悪くもない。
可もなく不可もない写真。
2、ミジンベニハゼ
門番をしているメス。
じっとしていると斜めにずり落ちる。
ヒレで身体を支える。
魚のヒレは便利。
ミジンをめちゃくちゃ撮ってきたんだろうなと感じる写真。
カメラ初心者でこれ撮れたら、額に入れて飾りたくなる写真。
短時間でこのクオリティで撮れるのは職人だと思う。
3、ナカソネカニダマシ
ハエみたいなカニ。
ハエもこのくらい綺麗だったらファンもつく。
ピントがずれているので、じっと見ていると目をパチクリしたくなる写真。
背景を黒くしたけど、被写体へのピントがいかに大事かわかる写真。
失敗と言わざるを得ない写真。
4、サツマカサゴ
口を開けてエサを待っている。
けれどもエサは来ない。
けれどもじっとすることしかやることない。
死ぬまで暇な魚。
背景と同じ色で撮れているし、構図が普通。
つまり、まあまあの写真に仕上がっている。
可もなく不可もない写真2。
5、クマノミ
怒っている。
喋っている。
怒鳴ってはいない。
警告。
これは!なかなかいいじゃないか!と思う写真。
イソギンチャクの配置とクマノミの口がとてもいいと思う。
これも撮り慣れていないとなかなか難しい。
撮り慣れていない被写体は動きが読めないし、構図やライティングを考えないといけないので時間がかかる。
やはり、撮り慣れている被写体はコンテストにおいては点を取りやすい。
しかし、独自の世界観を表現していくためには、撮り慣れているやり方を捨てないといけないかもしれない。
たつぼうのテーマは「破壊と創造」である。
ちなみに、たつぼうはハゼが好き。
ヒラメはあまり好きではない。
違いがお分かりだろうか。
オオモンカエルアンコウ。
写真というのは、趣味嗜好が滲みでるねえ。
皆さんはたつぼうの水中写真を見てどのように思っただろうか。
見る人によって、思うことが違うのが芸術だから、本当はいいも悪いもないかもしれないけれど、
誰が見てもいいと思うにはある程度の基準と法則があるということだ。
初心者ほどカステラカップは参加した方がいい。
絶対に。
そういうわけで、一人カステラカップの部終了。
第二部は、ドライスーツSP講習の部。
ラムとじゅうじゅは流れのある深いところを泳がされた。
上がってからラムは頭痛くなった。
そのことをRIO先生に訴えた。
そしたら、それ「ちっそ酔い」やけん簡単に治らんと!
ドライスーツは激しい環境に行かんと簡単にはうまくはならんと!って言われたとさ。
おしまい。
RIO