さかもっちをピックアップする基山SAは寒い。
熊本をすぎ、九州道の長いトンネル群を抜けると車内の気温が一気に上がる。
まさかのエアコン起動。
ダイビングポイントまで片道334キロ。
いつもは清武の一つ手前の「田野」で降り、山道をくねくね走るのだが、今回は清武南から伸びた無料の高速道路で向かう。
無料高速道路は2023年3月位に開通したらしく、日南市内の手前まで伸びていた。
時間的に言えば、20分ほどの短縮であったが、平坦な道を走れるので、タンクとウエイトを積んだ重たいハイエースにも車に酔いやすい人にも優しい。
これは牛深に行くよりも運転が楽である。
しかも牛深よりも日南の方が景色がいいしご飯も美味い。
とはいえ、牛深にもいいところはある。
海が荒れにくく潜りやすい。夏潜れるのは最高である。
日南よりも少し寒いので生物の混ざり加減が面白い。
道の駅めいつでお昼ご飯。
本当は日南市内にある「びびんや」に行きたかった。
けれども、無料高速のおかげで開店20分前に着いてしまった。
これは早すぎるので、さらに南下したところにある「道の駅めいつ」に行くことにしたのだ。
しかし、開店10分前の10時50分に着いたのにすでに10名待ち!
閑散とした田舎町にあるまじき景色。
店に入れたのが11時15分。
全員の料理が揃ったのが11時45分。
駐車場に着いてからなんと1時間もかかってしまった。
こんなことなら、びびんやで開店待ちしていた方が早かったぜ。
僕が頼んだマグロのあら炊き定食。
一見少なそうに見えるが、めちゃくちゃ多かった。
小鉢はマグロの缶詰みたいなやつ。
味噌汁にはマグロの身がぎっしり入っていた。
美味しかったけど、向こう1年マグロ食わんでもいいと思った。
1500円。
ラムちゃんの定食はカツオ三昧。
これ食ったらカツオ1年食わんでもいいと思う。
マグロとかカツオとかそげんおいしか魚じゃないと僕は思う。
カレイとヒイラギやったら毎日食えるけどね。
目的地の夫婦浦。
トレーナでも暑い。
福岡でいったら10月半ばの感じ。
さくらばは真冬に着る「ウォータープルーフの厚手」を着ていたので、フードなし。
北西の風で、ベタ凪中のベタ凪。
この日、日中は潮がほとんど動かない予定だった。
1本目は最満潮で最高のエントリーができたので気分は最高潮。
やっぱ日南は冬だね。
浅瀬の透明度は15m。
ドライに慣れていない人もいたので、1本目は浅いところから入ってゆっくりゆっくり行く計画。
いのうえさんは潜降中、息を吸いすぎていつも逆立ちで入ってくるので、レンタルBCに入れたウエイトが落ちてしまう。
スライド式のウエイトポケット付きBCを持っていないなら、ウエイトベストを着よう。
そのうち自分のBCを着た方が上達も早いと思うけどね。
レンタルBCは肩がぐらつきやすいから。
水温は22.4度。
珊瑚はハード、ソフトともに元気いっぱい。
ちょっと見上げれば、イワシじゃなくてキビナゴ。
キビナゴを見ると、スーパーフカセゲームしたくなるよね。
これにはさくらばさんも同意。
ひさしぶりに見たパンダ魚。
大人になったら、普通のタイみたいになるのがとってもざんねん。
ちょっと降りたところの岩の間にぼーうつが2匹いた。
太平洋はどこに行っても、ぼーうつだらけだねえ。
水深13mあたりを流すと、海藻生えるがれ場ゾーン。
この先、ウミウシゾーンでもある。
マダライロウミウシ。
シロウミウシに似ているけれど個人的にはシロウミウシの方が好き。
シンデレラウミウシ。
カグヤヒメウミウシに似ているけど、境目が「グラデーション」になっているのがシンデレラウミウシの特徴。
これもシンデレラだけど色が薄い。
子供なのかな。
ゾウゲイロウミウシ。
交尾中。
ユビノウハナガサウミウシ。
子供は可愛いね。
シライトウミウシ。
これにそっくりのウミウシが他にも存在するね。
わかるかな。
ハナミドリガイ。
ここにきて地味だねえ。
他には、
コイボウミウシ。
キイロイボウミウシ。
タテヒダイボウミウシ。
クロフチウミコチョウ?
がいたよ。
意外にもラムちゃんウミウシ見つけるの早かったからおどろき。
1本目で感動したのが、これ。
ウミスズメに乗るコバンザメ。
ウミスズメって一見弱そうに見えて、男らしいとこあるんだろうね。
1本目終わり。
僕はインナーにアークティック着てたから具合悪くなるほど暑かった。
桜島ロングデイトリップを思い出してしまった。
2本目は潮が引きだしたのちょい濁ってきた。
それでも浅瀬は綺麗。
ニザダイの中にでかいクエ発見。
推定10キロ。
日南の大型魚と言えば、クエ、タマミ、尾長グレだよね。
ウミウシゾーンをシューっと抜けて沖に向かってみる。
さっきはほとんど移動しなかったから。
マクロ生物は帰り道で探す。
18m付近の岩にくっついていたカノコキセワタガイ。
動きがいいね。
岩場にはこれが多かった。
ミナミギンポ。
南方系に混ざって、温帯系の魚がいるのが面白い。
カサゴとかもいたし。
福岡の海も近い将来、日南の海みたいになっていくんだろうなと思ってしまう。
ミノカサゴの仲間であるキリンミノカサゴ。
ヒレが扇子。
ネッタイミノカサゴ。
模様が派手。
この2種は近い将来福岡にもやってくると思う。
(沖縄にしかいない魚が九州本土に来ることはない)
温暖化しているのは地球のサイクルなので仕方がない。
(CO2は全く関係ねえ。嘘だと思う人は御用学者の正反対であらせられる渡辺先生の著書を読め!)
昔はもっとあったかい時代があったわけだから、また寒くなる時代に入ったら磯焼けとかも解消するんだと思うよ。
何百年後だろうけど。
深場を攻めたのでみんなのエアーがなくなってきた。
浅くすると「珊瑚の崖」。
珊瑚って崖になるんだよ。すごいね。
後半、誰かがぷかぷか浮いていたその時。
亀を見た。
ぐるーっと回ってくれたので、30秒以上見れた。
青海亀。
ここは浅くなってくるところだったので、体勢を整えるのに夢中だったのかな。
僕しか見れてない。
かわいちょ。
店長とさくらばといのうえさんは別行動になってしまった。
そしたら、トラウツボ見てた。
がお〜〜!
僕が気になった魚は、
インド洋固有種ローランドダムゼルに似ている「アオスジスズメダイ」
アオウミウシ配色の「ソメワケヤッコ」
ミツボシクロスズメダイにそっくりな「アブラヤッコ」
スズメダイのちょっと進化版「カンザシスズメダイ」
この夫婦浦ビーチは沖にいくと、日南ボートダイビングの雰囲気も味わえるし、浅瀬に行くと柏島的な雰囲気も楽しめる。
北の辰ノ口。南の夫婦浦。
九州2大ビーチポイントだと思う。
夫婦浦の反対側は宮崎特有、高い堤防。
帰りは、鵜戸神宮、サンメッセ日南、鬼の洗濯岩、青島神社、こどもの国、と上がりながら帰りたかったけどやめた。
宮崎は東に向いているせいで、日が暮れるのが早い。
泉質はめちゃ良かったけど、狭すぎて熱すぎる温泉。
ロングデイトリップは、ゆっくり観光する暇なんてないのだ。
天神集合6時30分。
天神到着0時。
ギリ日帰り。
来年からのロングデイトリップは、ダイバーをグループ分けして、そのグループに合った常勤、非常勤スタッフが行くことにする。
九州、山口の生物多様性グラデーションを楽しんでくれい。
ロングデイトリップ場所一覧
天草北側
天草西側
牛深
大分津久見いるか島
うみたまご
別府湾
桜島
日南
延岡
周防大島
※坊津と佐多岬は無理
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