風呂桶に水をいっぱいに溜めて、頭まで沈めると胸のあたりがキュ〜〜ってなったことない?
おいらはその「キュ〜〜」を感じると、今でもテンションギュ〜〜〜〜ンって上がりますたいね。
それが好きでしょっちょう水風呂に入ってたんだよね。
その延長にダイビングを仕事してやってるっていうのがあると思う。
てかさ、頭まで水に浸かるとさ、モヤモヤしてる事とか原因不明の焦りとかイライラとかそういうのがなくなって、生まれ変わったような気分になる感じ。
わかるかな。
一世代前に戻るような感じ。
だから、おいらにとって水に入るっていうのは、一種の精神安定剤なんだよね。
それが大人になって海がないと精神が安定しないってことがわかったからさ。
海がないところに引っ越さないといけない考えるだけで、ほんとうの精神安定剤を飲まんといけんくなるわけさ。
ダイビングだとさ、風呂よりもずっと深いところに行くよね。
話は変わるけど、村上春樹の小説読んだことある?
村上春樹の小説って、必ずと言っていいほど、物理的に深い所に行くでしょ。
井戸だったり、地下室だったり、洞窟だったりね。
主人公は、そこで一定の時間を過ごして地上に出てくる。
すると、当たり前だった世界がガラッと変わっちゃって、大事なものが失われているっていう話。
村上春樹の小説って大体このパターンでしょ。
つまり人にとって「深いところ」っていうのは、何か大事なものが失われる「怖い場所」でもあり、自分が知らなかった新しいものを得られる「未知の場所」であり、「潜在意識の世界」でもあるわけだよね。
おいらもそれはなんとなくわかるわけ。
日本のダイビング産業はあと五十年くらいで終わってしまうんじゃないって、この前のブログで書いたんだけど、
人は年に3回くらいは海につからないと、精神病にかかりやすくなってしまうって言われているから、
ダイビングの仕事も細々と残り続けるんじゃないんかなと思う。
無意識に海に行きたい人が一定数おるはずなんよね。
外人は「バカンス」とかいって、長期期間休んで海とか山にいくやん。
外人って、大脳で考えた理論とか理屈を最優先する人種だから、「自然」とかけ離れた生活をしているわけ。
でも、人間は自然に触れ合わないと、精神が狂ってしまうから、がっつり休んで帳尻を合わせていると言われておるよね。
日本人の場合は普段から自然に触れ合う習慣があるから、そこまで長期休まんでもいいってことさ。
でも、海には浸からないといけんのよ。
なんか知らんけど、科学的にもそう言われとるん。
そんなわけで、海に行こうぜってことさ。
魚もウミウシも可愛いでしょうが。
目があって、鼻があって、口があって。
この前釣った赤ちゃんカサゴはめっちゃ可愛かったぜ。
鳥もウサギも亀も同じさ。
何が可愛いと思うか、それはその人の感性の問題であって、可愛いと思えば、ゴギブリだって可愛いのさ。
RIO