今日は終日、事務の日であった。
店長はたまりきった雑務を手際よくこなしていた。
フリースペースでは、ウサギが冷蔵庫のドアに寄っ掛かり、カメは首と手足を伸ばして日光浴(紫外線ライトね)をしていた。
そんな姿を眺めていると、天神に閉じ込められた1日であることを再認識させられるのである。
さて、今日は本が苦手な方のために、
阿部秀樹著「海の生き物が魅せる愛の流儀」から、「シリヤケイカにの産卵活動」について書いてみようと思う。
シリヤケイカの特徴
コウイカに似ているがあまり美味しくない
澄み渡った綺麗な海にはいない(玄界灘には生息している)
コウイカと違って、回遊する癖がある
真っ黒な卵を産む
名前の由来
水からあげると、胴の先端の尾腺口から赤い分泌液が流れ出すため、尻の穴が汚れているように見えるから
水中では目立たないため、コウイカとの区別は難しいと思われる
産卵時期
海の水が浅葱色になる4〜5月
産卵場所
背の低い海藻がまばらに生えている小石の海底
産卵の方法
卵を持ったぽっちゃり系のメスの横に、オスが寄り添うようにガードする。
別のオスたちが集まりだす。
(産卵中期になると、メスは体力を消耗して死んでしまうため数が減っている。つまりオスの方が多い)
メスを巡ってオス同士の闘争が始まる。
まずは、胴を伸ばして自分を大きく見せる体比べ。
決着がつかない場合は、取っ組み合いの喧嘩が始まる。
勝ったオスはメスに近寄り精子の入ったカプセルを体内に差し込み受精させる。
メスは強いオスには心惹かれるようで、来るもの拒まずでパートナーを次々と受け入れる。
数日かけて、自分の墨を塗りつけた卵を海藻に産みつけていく。
墨の成分は捕食者にとって、嫌な物質であるだけでなく、抗菌効果もある。
是非とも、シリヤケイカの産卵活動を観察してみたいところだ。
ただ、一個ネックなのが、シリヤケイカ自体、なかなか見れないのである。
元々見れないシリヤケイカの産卵活動に出くわすというのは、なかなかのハードルであることは間違いない。
(阿部先生が数十年間追いかけ続け、ようやく撮影に成功したほどだ)
サンライズ店長曰く、シリヤケイカの卵は簡単に見れるとのこと。
一般ダイバーが目指すは卵なのだ。
卵が産みつけられるのは、水深が15m以上。
ビーチからでも見れるが、ボートダイビングが最適解ではあるまいか。
シリヤケイカの卵は「黒真珠のネックレス」のように見える。
写真映えは抜群だと思われるので、皆さんも是非挑戦してみてほしいと思う。
RIO