最近では大型のクロメジナが東北の海で釣れているという話を聞く。
四国南西部、五島列島にウヨウヨしていた大型のクロメジナたちは海水温の上昇により冷たい海を目指して移動して行ったのだ。
四国南西部だけでいえば、1/1000まで激減している。
クチブトメジナに関してもこれから生息域が変わっていくと思われる。
個人的な希望としては、いつまでもメジナがいる海で遊びたい。
もし、メジナの代わりにチョウチョウオとかキンチャクダイとかゴマアイゴばかりになったら、フカセ釣りはやめるかもしれない。
(僕は南国の魚を食べるのも釣るのも見るのもぜんぜん興味がない)
ちなみに最近では石鯛よりもイシガキダイの方が多く釣れるようになってきている。
イシガキダイはその名の通り、あったかいところに住む魚。
普段潜っている福岡の海も南国化の一途をたどっている。
黒ウニが増え、ワカメが減り、ソフトコーラルが増え、ミズタマ海牛が減った。
ダンゴウオに関してはゼロになった。
海の生物界は人間界と同じように増えたり減ったりのまさに過渡期である。
僕が生きている間に昔の玄界灘を見ることはできないのであろう。
これから見れるのは進化した(後退した?)玄界灘2.0である。
そして、今では昔の玄界灘を思いだそうにも思いだせなくなっている。
写真を見て思い出そうにも、玄界灘の風景は最近のものばかりなのだ。
そういえば、この前潜った「立神岩」には子メジナがウヨウヨしていた。
立神岩は昔の志賀島みたいに海藻が色々生えていたし、おそらくいい感じのサラシもできるし、潮流の当たりもいいのだろう。
(水深が浅いので冬になっても大メジナはいないと思うが。)
同じ玄界灘の磯場で、こんなにも海の雰囲気が変わるのかと驚いた。
正直、今は志賀島よりも立神岩の方に潜りたい。
ボートで沖に出ると、黒潮の影響を受けた海に変わる。
最近はさらに南国化した海を見ることになる。
沖で見た海が徐々に岸へと近づいてくる。
東京が福岡に近づいてくるような感じだ。
きてもらいたい気持ちときてもらいたくない気持ちがせめぎあう。
僕はそんな海に潜り続けるのだ。
RIO