コイボウミウシ。
それはそれは地味でウミウシらしくない硬さを兼ね備える。
引き出しの隅に忘れられたキン消しみたいなウミウシ。
世界中どこでもいるけれど人気は話題にのぼらない。
大体の人はふーんって感じで素通りしていくか、目にとめても記憶に残さない。
いや、残せないのが正解だろう。
こっちの海にはキイロイボウミウシとコイボウミウシとタテヒダイボウミウシの3種が見れる。
どれもパッとしないが比較的キイロイボウミウシが覚えやすい。
ぱっとしないといえばベラ類。
キュウセン、アカササノハベラ、ホシササノハベラもコイボ3兄弟に匹敵する地味さを誇る。
比較的キュウセンが目にとまりやすいのはちょっと派手でちょっと大きいから。
世界の海にはいろいろなベラがいるようにコイボウミウシもいろいろいる。
いろんな海に潜りにいけば1種類くらいお気に入りが見つかるかもしれないから、
お気に入りのコイボウミウシを見つけにいくツアーなんてものを作ったら面白いかも。
ちなみに、ウミウシ好きのじゅんこりんは「シロウネイボウミウシ」が見たいらしい。
コイボウミウシのことを考えるきっかけになったのはこのことを聞いたからなんだけどね。
コイボウミウシは綺麗にかわいく撮るのが案外難しい生物。
撮りやすいところに持っていこうと岩からはがしてしまうと再度岩にはりついてくれない。
触覚も引っ込めカイメンの切れ端みたいになってしまう。
波があるとおむずびころりん転がってどうしようもない。
ようやく綺麗に撮れてもふーんって感じで流されるから、コイボウミウシを最大限かわいく魅力的に撮影する研究なんかも面白いかもしれない。
一朝一夕にはできないだろうから、きゅう会長と一緒に勉強していきたいところ。
コイボウミウシがすごく魅力的に撮れたぞという噂が立てば、マンリョウウミウシさんもアマクサウミウシさん、ヤマトウミウシさん、ネズミウミウシさん、クモガタウミウシさんらが「わたし達も綺麗に撮ってください!」と、列をなしてくる可能性だってある。
可愛いウミウシを可愛く撮るなんて誰でもできるんだから、今年はこういうことをやっていきたいと思うけど、興味ない人はやんなくていいです。
いつも通り好き勝手に潜ってくださいませ。
RIO