オオカズナギは5月から6月にかけて、人目を引く面白い繁殖行動を行います。
繁殖行動は、志賀島の白瀬でも見られていますので、まずはオオカズナギを探すところから始めてみてください。
オオカズナギはギンポみたいな見た目をしています。
とっても地味ですが、ワカメの間をちまちま探すと見つかります。
ギンポとの違いは、近寄っても逃げないおっとりした性格です。
なのに喧嘩するってのがおもしろいんだね。
オオカズナギは水深10m以内の浅い水深でしか繁殖行動は行いません。
ワカメやクロメ、フクロノリといった海藻が多い岩礁域が繁殖の舞台になります。
繁殖行動のスタートはオスが巣穴を探すところから始まります。
オスは産卵に最適な「狭い穴」を見つけにいくわけですが、1匹がぎりぎり入れるかどうかの狭すぎる穴はそう多くないのため、毎年決まった穴で産卵が行われることが多いです。
そういった産卵に適した「穴」は数に限りがあるので、オス同士が戦って穴を取り合います。
オスの勝負は短期決戦の押し相撲!
力の勝負です。
あのおちょぼ口がここまで開くなんて驚きですよね。
勝ったオスはメスを穴に呼び込みます。
メスはその穴に入って穴の確認作業を行います。
メスがその穴を気に入ればオールOK!、というわけではありません。
カップルになったメスが穴から離れた隙に、他のメスが入り込んで穴泥棒することがあります。
メス同士の喧嘩はこうやっておこります。
メス同士の喧嘩は睨み合いの長期戦。
メスは怪我するの嫌いなんでしょうね。
紆余曲折あって、カップルになったメスにオスは寄り添います。
この時のオスはやまぶき色。一方メスは色が薄くなります。
オスの方が派手なのはにんげん以外の動物の掟です。
産卵行動本番は狭い巣穴で行われるため、詳しいことはわかっていないようです。
オオカズナギの巣穴を見つけて産卵行動をしっかり観察できれば、阿部秀樹さんのように生物博士になれますね。
みんなでがんばりましょう!