ロクハンのウエットスーツというのをご存知でしょうか。
生地の厚さが6.5mmなので、六と半分でロクハンです。
ロクハンはゴム丸出しのつるっとしたスキン素材を使っていますので、スーツ内の水の出入りが極端に少なく保温性が高く、中が滑るので動くやすく、重ね着しても圧迫感がありません。
下にロングジョンを着て、上からかぶりのフードジャケットを着ています⇩
厚さが6.5mmのジャージ素材のウエットスーツ(下にロングジョンを着て、上からかぶりのフードジャケット)で
裏地が起毛、背中ファスナーが防水、手首足首にファスナーなしでもロクハンのあったかさには追いつけません。
普通のウエットスーツは重ね着すると圧迫感が強くて息苦しいですし、裏地が起毛でもジャージでも基本滑らないので、引っ張られて動きずらいです。
ジャージのウエットスーツは「ワンピース」を夏場に使うのが最も快適でいいのではないかと思われます。
。
普通のワンピースウエットスーツの中に「フードベスト」を着れば保温性はあがりますが、劇的に暖かくはなりませんので、ちょっと寒いなあと思うときに使いましょう!
※フードベストは、上から着ても、下に着ても大丈夫。
ナナハン、ハチハン、キュウハン、ジュウハンと生地を分厚くしていった方がよりあったかくていいんじゃないの?
と思われる方がいらっしゃると思いますが、ウエットスーツの生地は潜ると一気に縮みますので、分厚くしすぎても浮力ばっかり強くてあまり暖かさは変わらないとのこと。
👆かぶりのフードジャケットがめくりあがってこないよう股の間を後ろから前に止める部分を
「ビーバーテール」と言います。
留め具を外しますと、ビーバーの尻尾みたいに見えるからです。
クラシック系のロングボーダーもビーバーテールのスーツを好んで着ます。(年配サーファー)
ビーバーテールは腰から入ってくる水の侵入も防いでくれるため保温性に優れます。
かぶりのジャケットに「フード」がついているものは、首から水が入ってこないので、保温性がさらに
さらに高まります。
ロクハンの場合、ファスナーはお腹の部分または前部分しか使わないので、ファスナーが壊れるリスクはほぼゼロです。
このようにロクハンは出来うる限りの保温性の粋を集めていますので、
ドライスーツ(インナー多)>ドライスーツ(インナー普通)or ロクハン>ドライスーツ(インナー少)
ドライスーツ(インナーTシャツ短パン)>2ピースのウエットスーツ>ウエットスーツ+フードベスト
>ウエットスーツ
という立ち位置になります。
ロクハンは組み合わせが豊富なことも特徴なので、水温に合わせて着替えることができます。
例えば店長が使う場合、
水温が18度〜24度だったら、下はロングジョンで上はフード付きかぶりのジャケット
水温が25度超えたら、下はロングジョンでフードなしのかぶりジャケット
水温が27度超えたら、下はロングジョンでフードなしのかぶりじゃないジャケット
水温が29度超えたら、下はスタンダードパンツでフードなしのかぶりじゃないジャケット
同じ季節であっても、今日は講習で潜る時間が短いからこれとこれ、
雨降っててウミウシダイブだからこれとこれ、
沖まで泳いで帰ってくるだけだからこれとこれ
みたいな感じで「微調整」ができるところもロクハンの完璧性をあらわしています。
ロクハンは慣れると着るのも脱ぐのも楽ですが、雑に扱うと破れるリスクがあります。
これがロクハンの唯一の弱点である「繊細さ」です。
もし破れても現場ですぐ直せるのでそこまで気にしなくてもいいのですが、運搬の時点から気をつけるに越したことはありません。
水温が低い時期は全部ドライスーツでいいじゃないか!という方もおいでになりますが、
ドライスーツを6月中旬〜7月初旬まで使うということは、それだけドライスーツを着る期間が長くなるということです。
それは腰や肩に長い間負荷がかかり続けることを意味します。
10月半ば(平均的にはこのあたりでドライスーツに切り替える)から6月下旬(平均的にはこのあたりでウエットスーツに切り替える)ということは、およそ「8ヶ月間」ドライスーツです。
たま〜にしか来ない方であればそう問題はないかもしれませんが、よく潜る方であれば確実に疲れが蓄積していきます。
それが何年もとなると・・・
10月下旬から11月中旬、5月中旬から6月下旬は日によってはかなり暑くなりますので、
ドライスーツの中が汗でびちゃびちゃ。
特に足元、首元、背中が臭くなってきます。
ドライスーツは海水がちょびっと入ってきたりします。
冬だと臭くなりづらいですがあたたかい時期は細菌が一気に繁殖。
積み込む際にくさっ!
片付ける際にくさっ!
車の中がくさっ!
ということにもなりかねません。
ドライスーツばかりを長い期間着ていると生地がへたって破れやすくなってきます。
バルブもファスナーもブーツもへたっていきます。
自ずと修理が増えます。
ドライスーツの修理代は高価な場合があり、修理代でロクハン買えることもあります。
こういった理由から、ロクハンとドライスーツを組み合わせて使うのが最も快適でコスパもいいというお話でした。
RIO