僕はよくみんなに「俺はダイビングより釣りの方が上手いから」、なんて冗談言ったりしますが、実はまんざら嘘でもなくて、釣りに関しては小学生の頃から、小難しい釣りの書籍を読み漁り、名人のビデオを繰り返し見て、中学生で甑島のような離島に渡り、磯釣りを嗜んできたからです。
おっさんになっていく間、他のことにも興味が湧いてきて、釣りに没頭する時間は短くなっていきましたが、
定期的にアップデートしながらここまできました。
あれは5年前のこと、。
釣りは卒業しよう、一生やらない。
そう思い立ちました。
当時はフカセもやってましたが、メインはルアー釣りで、ルアーの釣りは僕の心を疲弊させていたのでしょう。
どうあがいても、釣りに魅力を感じなくなりました。
すべての釣具を売り払い、売れないものは誰かに譲り、釣り針1本持たない、ただの人になりました。
もうやり残したことはない。
心からそう思いました。
そして、2年前、子供の頃、「俺はフカセ釣りで飯を食っていこうと決意したくらい好きだったのに、振り返ってみると記録と記憶に残るでかい魚を釣っていないではないか」とたびたび思うようになりました。
確かにチヌやメジナはそれなりに釣ってはきたものの、死の直前、夢の「60」を釣っておけばよかったと思わないのか、俺はフカセを極めたのか、さあどうなのか、自問自答する毎日。
静かに深く奥まで考えた結果、フカセ釣りに限って復活を果たすことにしました。
最初はメジナの大きいのを釣ろうと思っていましたが、気候変動の影響もあり、男女群島に行っても、夢のサイズは釣れないと知りました。
メジナの記録魚はあきらめ、身近にいるチヌにターゲットを絞りました。
現在チヌの大きいのを釣ろうと思ったら、対馬の浅茅湾、宍道湖と中海の間、広島瀬戸内海、愛媛宇和島、などが挙げられますが、その辺の護岸や地磯でも夢のサイズは狙えます。
日本記録のチヌが釣れたのは、糸島の岐志漁港。
フカセ釣りにおいて、大きい魚を釣るためには、確固たる釣りのスタイルを確立しておかないといけません。
どこに行っても貫き通せる、必殺技のようなものです。
それがないと、どれだけお金を積んでも、でかいチヌやメジナは釣れません。
逆に、1m越えのブリやGT、ヒラマサ、マグロなんかはお金を積めば誰でも釣れます。
フカセ釣りは、忍耐、努力、勘、経験、そして運がないとダメなんですね。
僕の釣りは一人で行って一人で帰ってくる、基本誰とも喋らない、黙々とチャレンジと失敗を繰り返し、ひたすら自分の釣りを極めていく修行フィッシングです。(家に帰ってビールを飲むことだけが楽しみ)
なので、納得のいくサイズのチヌが釣れなくても、もう納得した、やり残したことはないと思えたら、明日にでもタックルベリーに釣りグッズを持っていくと思います。
とにかく僕の釣りは辛いので早く卒業したいと思っています。
その前に早く大物を釣り上げなければ。
というわけで、釣りは仲間とワイワイやりながらやるというのが一番楽しい。
これは揺るぎのない事実。
釣れなくても思い出に残りますし、終わった後の充足感が半端ないです。
今回のタコ釣りは、原点に戻り、タコは絶対に1匹はいるであろうと思われている箱崎埠頭に行きました。
ちょっと歩くだけで、汗がすごい。
16時でこの暑さは、真夏の釣りの過酷さを肌で感じれます。
波止の先端まで移動したら、仕掛けの作り方、糸の結び方、餌の付け方のレクチャーを、
ダイビングよりも上手なRIO先生が教えてくれます。
DーPASSの人は誰でも参加できるので、気軽に参加してみてね。
今回、初参加のあやかっぽは、前日、ゴカイを触れるかわからない〜とか言っていましたが、現場に着くと頭を切り替え、どうやったら早く美しく釣り針につけられるのか、クソ暑い堤防の上で一人研究していました。
もはや、さわれないとか色が気持ち悪いとか、そんな甘っちょろいことは言わない女子。
それがあやかという女子。
さすが、女子トップレベルの頭脳を持つあやかっぽ。
なので、一番最初に釣ったのもあやかっぽ。
シロギスだね。
すごかですたい。
毎回、よっちゃんもよく釣るタイプ。
笑顔が素敵な人に釣られたいんでしょうね。
魚だって真面目に生きてるんだもん。
おーちゃんは魚をつかむのがうまくてびっくり!
どじょうか!
ザッキーは柏島ツアーで買った竿を捨ててしまっていたので、今回、釣具のポイントで新しく竿買いました。
うきまロッドの偽物みたいな竿ですが、それなりに可愛い竿ですし、使いやすい竿でした。
さすがRIO先生いい竿選びますね。
多分、リールはすぐダメになるから買い直してね。
サビキをするため、今回はアミを1角買いました。
これだけ暑いのに全然解凍できない。
ヒイラギが釣れました。
これは地方名をたくさん持っている魚です。
周防灘にあるおばあちゃんの家では「シビラ」と呼んでいました。
砂地に住んでいるので、周防灘ではよく採れる魚なのです。
鱗がないので、頭を落として内臓を出せばあとは煮るだけ。
ばあちゃんはシビラが手に入ると夕飯に50匹くらい鍋で煮てくれて、子供達がそれを無心で食うという儀式が行われていました。
そうすることで、箸使いがうまくなるというばあちゃんの配慮だったのかな。
僕はこの魚以上に美味しい魚を未だ食ったことがありません。
本当は持って帰りたかったのですが、1匹だと一瞬で食い終わって逆にストレスになります。
中毒性があるんですよ。ヒイラギには。
ふーみんは根掛かりばかりで苦戦していましたが、真鯛の子供をつりました。
真鯛の子供のことを、釣り用語で「チャリコ」「あかじゃこ」と言います。
針をガッツリ飲みやすい魚なので、外すのが大変で、手際良く外せないと殺してしまいますので、釣りは、釣り以外のスキルも必要になります。
前々回は、入れ食いでフグばかりだったのに、今回は2匹しか釣れませんでした。
あの時は産卵後だったからね。
あやかちゃんは、フグ可愛い〜って言いながら、写真撮ってました。
この感じで写真撮れるのは、釣らないと無理ですもんね。
クサフグは日が暮れてしまうと砂の中で眠ります。
日が暮れかけても、まだまだ暑い。
ザッキーは熱中症予防のため、よっちゃんが持ってきてくれた甘いスイカを食べて体を冷やしました。
僕たちも食べさせてもらいましたが、スイカってこんなに美味しかったっけ?って思えたのは、夏の堤防で無心に魚を釣ったから。
なんか素敵。
19時40分。
タコ釣り仕掛けに変更。
みんなも竿さばきになれてきた頃なので、最高のタイミングです。
目バキバキで頑張ります。
本当は20時過ぎないとつれないんですけど、少し明るい時からやるとトラブルもなくてやり良いです。
涼しい風が吹いてきて、夜景が綺麗で、貸切になって、さっきまでの地獄が嘘のよう。
風と潮と魚と太陽と月を感じられる遊び。
ダイビングと同じ。
ザッキーは足が攣りそうになりながらも、堤防を際を丹念に探りました。
みんなでやれば怖くない。
タコはどこなんだ!
堤防の端から端を行ったり来たり。
大人六人でこれだけ頑張ったのに、タコどころかイカもつれない。
今回、ふじこ部長欠席だったので、スズキも狙ってみましたが、見事に坊主をくらい、22時納竿となりました。
どこに行ったらタコが釣れるのか皆目検討がつきませんが、とりあえず地場の釣具屋で聞き込み調査したいと思います。
もう博多湾では釣れないよって言われたら、糸島に行く?
糸島でタコが釣れるイメージないけどなあ。
タコってアラくらい幻なんだね。
追伸
ふーみんが天秤仕掛け(エサはゴカイ)を足元に落としていたら、グーンって引っ張られて、堤防の中に突っ込まれて系を切られた。
40センチはあるチヌで間違いない。
先に来ていたどもり釣り人が足元にチヌがいることを教えてくれていたから。
一人で釣りに来ているガチ勢おいさんは大体変人。
これも間違いない。
RIO