僕は今年で45歳を迎えた。
世間一般的にみれば、れっきとした中年である。
しかしながら、この中年というのは純然たる若者でもなければ、純粋なるじじいでもない。
人生折り返し。
死への過渡期なのだ。
僕はなぜだかわからないけれど、45歳に両の足をつっこんでから、これまで好きだった服、好きだったインテリア、好きだったデザインがそれほど好きではなくなってきてしまった。
その紛れもない事実を前にして、僕の人生は僕の知らない間に一回転分ひっくり返ってしまったのではあるまいか、そう疑わざるをえなかった。
よくよく考えてみれば、若者から中年に入るまでの間に変調の兆しのようなものが訪れていたのかもしれない。
だとしたら、僕が鈍感なせいで、(あるいは生活と仕事に忙しくて)気が付かなかったのだと思う。
45歳になってはじめて体感的に意識できるようになったのは、幸運そのものといっていいだろう。
自分にとって何が大切で、何が必要であるのか、そういった根源的なことに気がつけるようになったのだから。
(そのせいで、ひさしぶりに大ジョッキ一杯分の息を飲むことになってしまったけれどね)
せっかくなので、ここでひとつ趣味思考の変化をまとめておこうと思う。
ここからは僕の超個人的な記録なので、健全な一般市民である皆様はここで立ち去るのが無難です。
これ以上読んだって、マ・ジ・デ なんの役にも立ちません。
100%時間の無駄でございます。
さっさと退出することを強くおすすめします。
では、具体的にテンションが上がらなくなった「色」をあげてみよう。
黄色、赤、ベージュ、ブラウンの4色。それと3色以上入ったガラ物。
特に原色系である、黄色と赤はまったくもってテンションがあがらない。
しかしながら、僕のクローゼットの中にはこの2色は多い。
逆にテンションがあがる色は、
黒、白、ゴールドの3色。
特に好きなのは黒。
テンションがあがらない服。
半ズボン、黒以外のコットンの無地のTシャツ、カーディガン、チノパン、色が抜けたジーンズ、オーバーサイズのアウターやシャツやパンツ、アウトドアブランドの服全般、分厚い靴下。
特に山系ブランドは、どんなにかっこよくても機能的でもOUT。
逆にテンションのあがる服。
シックなもの、ジャストサイズのもの、スポーツ系ブランド、フォーマルなもの。
インテリアでテンションがあがるもの。
一個の照明だけで明かりを取らず、小さいライトを複数置く(少し薄暗い)、黒か白かゴールドで統一されていること、
壁2面以上に本がならんでいること、床が畳じゃないこと。
インテリアでテンションがあがらないもの。
古いアメリカちっくなもの、ニトリちっくなチープなもの、北欧もの、がちゃがちゃしたもの、アニメもの。
地べたに座る部屋(サンライズやないかい!)
サンライズはせまいからできないけれど、ほんとうはソファーでぐるっと囲んだ部屋にしたい。
テンションがあがる腕時計。
アナログで革ベルトで余計な機能がなくて色は白か黒かゴールド。
ハイブランドのものは嫌。
(スマートウオッチは嫌だけど、スマホを見る機会が減るならアリかも)
テンションがあがるバッグ。
黒革でできたトート。
テンションがあがる靴。
全部黒か、全部白のレザーシューズかスニーカー。
色が3色以上入っている靴はもってのほか。
テンションがあがるデジタルガジェット。
一眼ミラーレスカメラ、動画用カメラ、ガラケー。
(パソコンとスマホはまったくもってテンションがあがらない)
テンションがあがる動物。
鳥と犬とカピバラとアメリカンビーバー。
テンションがさがる情報。
台風と大雨。
自然災害はニュース業界において、ラッキーな出来事でしかない。
苦労しなくても視聴率が2%あがるからね。
だから大袈裟に言い立てる。
そうするとみんなが惑わされるので、自然相手の仕事している僕たちは迷惑なのだ。
テンションがあがる飲み物。
硬水、ヤクルト1000。
テンションがあがる車。
なし。
(働く車は好きだ)
こうやって書いていくと、まだまだ買い替えないといけないものが多い。
けれども、思っている以上に自分が好きなものの数は少ない。
すべてを揃えるにあたって、大金持ちになる必要なんてないことがわかる。
僕は金銭的に成功しなくても、充分幸せに暮らしていける経済性の高い人間なのだ。
今後、年を取っていけばもっともっと好きなものが減ってきて、もっともっと洗練されていくんだと思う。
最後は、袈裟と下駄以外には、何もいらないなんていうことになるんじゃないの?
NAKASHIMA