こんにちは、3連休は寒の戻りで北風続きとなりました。
三連日初日、ひどい北東の風でどうしようか迷いに迷い結局こちらにやってきました。
北風を見事にかわせる福岡から片道2時間半の数少ないのポイント、青海島紫津浦ビーチ。
急遽キャンセルが出たため、わたくし前田を含めた4名の少人数での開催となりました。
昨年の2月末クサウオは命尽きた個体が多かったので、この日は1個体くらい元気なクサウオ見れるかなくらいの軽い気持ちでしたが、結果から言うと卵保護中の元気なオスの個体を5個体もじっくりと見ることができた超ラッキーデーでした!
ザッキーはドライスーツを新調して何故か体が不自由になりましたが、、、来れて良かったと喜んでいました。
水中の景観は3週間前とはガラッと変わりました。
水温は1℃上がり、浅瀬はフクロノリだらけ。
そしてそこにはミヤコウミウシやクロコソデウミウシなどのウミウシ達も増えていました。
太陽の光の届かないゴロタ場は何とも奇妙な黄色いホヤの群生。
砂地では、オドリカクレエビにビードロカクレエビ、
ラッパウニなどの甲殻類。
あとはなじみのミジンベニハゼ。
コウイカの姿もありました。
しかし、ここではウミウシも甲殻類もほぼスルーしてクサウオ探しの旅。
だってここは日本随一のクサウオポイントですから。
普段は深海で暮らすクサウオがこの時期だけ産卵の為このビーチにやってきます。
有名な水中写真家の方も伊豆からはるばるここにやって来るなんてことも全く珍しくありません。
こんな貴重なポイントなんです、ここ。
早速5個体のオスのクサウオ達のご紹介。
クサウオ①
普段は卵の下に身体をくるんと丸めて大人しくしていますが、敵が来るとすぐに卵の保護を開始しました。
1月に見た個体と同じ固体かどうか判別できませんが、元気なオスの個体。
離れた目と大きな口がなんとも愛らしい。
大きな胸鰭で卵に新鮮な海水をかけている健気な姿を見せてくれました。
手をパクっとされましたが、
元気そうで良かったです。
クサウオ②
この子はネットの中層産み付けられた卵塊を懸命に保護。
今にもハッチアウトしそうに真っ黒な卵塊が見れました。
こちらも活発でした。
クサウオ③
この子は前に見た個体と同じ一番ダイバーに慣れた大きな個体。
相変わらずカメラに向かってきたりして
ダイバーにも物怖じしてませんでした。
かわいい顔で元気よく威嚇を繰り返していました。
やめろー
やめろー
産み付けられた時期が違う色の違う卵塊がいくつもあり、卵の数が一番多かったですね。
もりもり。
新しいのから
発眼したもの
間もなくハッチアウトといったものまで。
まだまだ頑張らないといけませんね。
つづいて一番沖のクサウオ④
ネットの上で卵保護。
ここはまだ新しい卵塊が多かったように思いました。
クサウオのメスは卵を産むと死んでしまうので、その後の卵の保護はオスの仕事。
といっても1匹の個体がずっと保護するのではなく、戦いに勝った強いオスが守っていきます。
1シーズン、同じエリアでオスが何度も変わることも珍しくないんです。
最後は砂地の真ん中アンカーエリア。
クサウオ⑤
前回と同じ固体でした。
ここではネンブツダイ系の群れがハッチアウトを今か今かと待っています。
自然は厳しい。
みんな命を繋ぐために必死なんです。
卵保護中のこの個体も一度砂地に着底すると上がってくる元気がないのでしょう。
この個体はアンカーのテグスに産み付けられた卵塊の上から全く動きませんでした。
大事そうに卵塊を抱えてる健気な姿に胸が熱くなりました。
その容姿を見ると体当たりしたり、攻撃されたりと、激しい戦いがあったことが分かります。
顔も体もが傷だらけです。
たった1年の短い人生のうちの殆どを繁殖行動と卵保護に費やし、次の命を繋いでいくんですね。
この子達が命がけで繋いだ次の世代のクサウオ達が一年後またここに帰ってきて来ることを願います。
来年またここで楽しみ会えるのを楽しみにしています。