冬の玄界灘ボートダイビングは、「揺れる」「冷える(風が冷たいし水温も低い)」「狭い(人が多い場合)」
などの、ストレスがたまりやすい環境です。

慣れていない方は、パニックとまではいかないにしろ、
いつもの力を発揮できないことがあります。
そこで大事になってくるのが、「準備」。
準備というのは、準備体操とかそういったことではありません。
1、ウエイト量の調整
インナーに対する適正量だけでなく、うねっていたらボートダイビングでも少し重くするなど。
2、グローブやフードのつけ外し
ひさしぶりに使うことでゴム硬すぎ問題。日頃からつけ外し練習。
2、海からあがってきたときの寒さ対策
帽子、タオル、手袋、それをいれるための濡れない袋。
3、フィンポケットとストラップの大きさが適正であるか
ウエットスーツ用で持ってくると、小さすぎてドライスーツだと入らない。
4、トイレ
朝からコーヒーを飲みすぎたりしていると、トイレ不安がつきまとうので、
水を飲むようにする。
常日頃から近場の海でコンスタントに潜って準備しやすいようにしておくことが
大事です。
体で覚えておかないと、いざというとき意味がありません。
今回参加したメンバーの中には、ボート初が二人、ダイビング自体に慣れてない方一人いました。

よく見ると、冬なのにウエットスーツが二人。。。
海がかなり荒れていたので、いつもの港ではなく、ポイントに近い港からの出航となりました。

移動中は、ざばんざばんと潮をかぶりまくりでしたが、
ポイントは風裏で、波はすこしおさまりました。
が、北からの風は強く、ブイに係船したボートは左右にローリングして
何かにつかまっていないと、倒れそうでした。
今回のボートダイビングでは、松島のケーソンとツインロックに潜りました。
ミジンベニハゼ、ウミウシなど、生き物は見ることができました。
水温は15℃と2月下旬にしては高く、透明度もまずまずで水中は快適でした。

がしかし、
2本目の終わりごろ、トラブルが発生。
あまりダイビングに慣れていない女性ダイバーが、
水深15mの岩場から直浮上して、水面に浮いてしまいました。
浮いた先は幸いにもダイビングボートのそばで、近くに船も通っておらず、
現地のガイドさんが水面にいたので、流されることなく、ことなきをえました。
その女性に話を聞きますと、BCとドライの両方に空気を入れて潜っていたらしく、
水深25mから徐々に浅くなってきたとき、BCの空気を抜くのに忙しく、
ドライスーツの中の空気を抜くのが追いつかなかったとのこと。
浅くなると、ドライの空気は倍々ゲームで膨らみますので、かなりの浮力になります。
一度浮いてしまうともう止められません。
ドライスーツダイビングの場合、この2パターンで空気を入れて中性浮力を作ります。
1、ドライスーツ、BC、どちらも入れて潜る。
2、ドライスーツだけに入れる。
※BCだけに入れる。これだとドライスーツのスクイズが起きて、潜れないからだめ。
1の利点は、ドライスーツ内にはスクイズを起こさない程度の空気しか入れていないので、
足に空気が移動して、足が浮くことがほぼない。
2の利点は、深い水深でマイナス浮力になったとき、ドライスーツにしか空気を
いれないので、保温力が断然高い。
慣れてくると、2がいいですが、足が浮きやすい方は1がおすすめです。
ただ、早めにドライとBCの空気の量をコントロールしておかないと、
今回のように急浮上してしまいかねません。
浅くて船も通らない湾内のポイントならいいのですが、潮流の早い場所で
浮いてしまうと、水面で流されてしまいますし、船への衝突事故の危険もあります。
また、慣れていない方は、往々にして「オーバーウエイト」で潜りがちです。
理由は、潜行が苦手、途中で浮きたくないなど。
オーバーウエイトだと水中でたくさん吸気することになるので、
(ドライスーツにしか入れないパターンは、あえてオーバーウエイトでドライスーツに空気を
多めにいれて寒さ対策をする場合もある)
急浮上のリスクが高まりますので、そういった意味でも安全な場所で徹底的に練習を
しておくことが大事になってきます。


