今日まで「処暑」、明日から「白露」が始まる。
白露(はくろ)とは、夜中に大気が冷え、草花や木に朝露が宿りはじめる頃。
降りた露は光り、白い粒のように見えるので白露。
この時期、北部九州では北東の風が強く吹いてくる。
北東に向いている、志賀島、捨て瀬、立神岩が潜れなくなってくると秋がきたなあと思う。
通常、近場のポイントでは、北西を向いている「恋の浦」にいくことが多くなるわけだが、サンライズは
あまり行かない。
なぜなら、恋の浦は「生物」が少ないからだ。
大きい湾になっているため、潮が動きずらく、地形もダラダラとしたかけ上がりで、さらさらさした砂地が多いので、生き物が居着きずらいからだと思う。
半島の先端側に行けば潮が当たるのだが、相当な距離を水中移動しなければいけない。
生物を探すことに慣れているダイバーであれば、珍しい生き物に出会うこともあるのだが、やはり海全体としてはイマイチ。
最近では、ウニが大量繁殖して海藻がなくなってしまったので、それも足が遠のいている要因の一つである。
秋の風がどれだけ吹いても潜れるところというのは、大体において海底がどろっとしている。
川から流れてきた葉っぱや木や砂や土が堆積して攪拌されないからである。
そういうところは栄養が豊富なので生き物が多くサイズも大きい。
希少な生き物が住み着いていることが多い。
(しかし、潮がある程度動く場所でないと、沈泥した栄養素が巻き上がってこないため、逆に生物が少なくなる傾向にある)
その好例としては、瀬戸内海である。
瀬戸内海は、台風以外ではほとんど荒れない内海。
しかし、生物がとても多いことで知られている。
瀬戸内海には小さな島が無数に浮かんでおり、島では植林ができないため、落葉紅葉樹が自生している。
秋冬になると大量の葉っぱが瀬戸内海に散らばり海底に溜まる。
やがて分解され、植物プランクトンが増える。
瀬戸内海は潮が早いので、植物プランクトンは小さな島々にぶつかり、巻き上がり、動物プランクトンのエサとなるのだ。
現地ガイドのブリーフィングをふんふん聞いて、何にも考えずに潜るのもいいけれど、
事前に、陸上の地形、山に生えている木の種類、潮の流れ方などをあらかじめ確認しておくことが、海を知る第一歩となるのである。
そういうわけで、今日は知床の動画を作ろうと思う。
お疲れさまでした。
RIO