- こんばんは。マエダサチコです。
今日は海がもともとなかったので、ゆっくり出勤です。
ブログタイトルにもある通り、
日曜日に思いがけず、志賀島でアオウミガメに出会いました。これは私の15年程のダイビング人生の中で一番驚いた瞬間でした。
2日経った今も、興奮覚めやらぬ感じですが、
SNSにアップしたところ同業者の方やゲストからの反響も大きく、それにも大変驚いています。そんな奇跡的な出会いのことを綴ります。
この日は日曜日だというのに、RED講習生の2人と、それを担当するRIOさん。
他にゲストは無く、
おそらく初めて非常勤DMの翔君と
マンツーマンで潜ることになりました。しかも、翔君は普段自分から『この日海行きたいです。』
と言ってくることは殆どないのですが、
この日は珍しく
『仕事なかったら、ファンダイブでもいいから潜りたい』と申し出たので、お店番も居るし黒瀬だったしOKしました。
最近ずっと白瀬だったので、
黒瀬の生物やウミウシも気になっていたし、いい機会だと思いました。しかも、透視度も良くて地形がよくわかるので、
生物探しに加えて地形の勉強にもなりました。生物は、浅いところに白瀬と同じくムカデミノウミウシが沢山いたり、
カタクチイワシの群れがキラキラと泳いでいて、
それを狙うヒラメも印象的でした。
黒瀬のメインポイントの大岩の位置や、
それに続き、点在する岩の位置や特徴を確認しながらじっくり潜ることが出来ました。その周辺の水深12m~17m付近の岩で生物も探してみると、
黒瀬名物ツユダマガイは相変わらずたくさんいました。
しかし、珍しい生物やレアなウミウシ類は無く、
白瀬よりも生物は少ない印象で、
翔君が見つけた「ガイコツパンダホヤ風」のホヤや、小夏丸の好きなアメフラシなどを見て、1ダイブを終えました。
2本目は生物探しはそこそこにして、大岩の西側のエリアを捜索予定だったんですが、ズレてしまい、1本目と同じ東側のエリアに出たので、軌道修正し、大岩に到着。
岩の形を確認しながら、私は岩の中層を、
翔君は岩の上の方を泳いでいたのですが、何気なく下に目をやると・・・
岩かと思いきや!
カ・カ・カ・カメーーーーーーーーーーー!!
思わず二度見。
カメラを持っていなかった私は、
翔君に急いでこのことを伝えました。これがその時の1枚。
躍動感がすごい。
そばに寄ろうとしたのですが、
上から私たち2人が来たことで驚いたのでしょう。カメは猛スピードで逃げていってしまいました。
あぁぁぁ~~~~~~~。
仕方なし。
この後、普通なら地形の復習に戻るのだろうけど、
なんとなく翔君に『カメ探し』を提案。
翔君が『NO』と言うはずもなく、
そのままカメが泳いだ方向に泳いでみました。すると・・・
そこから15mほど沖に泳いだ、
水深14mくらいのところに
居ました。
間違いなくさっきのカメ。
今度は驚かさないように視線を低くして、後方からゆっくりと近づきました。
でか!
甲羅だけで1m以上はあり、
齢50年以上は生きているんではないかという
オスのアオウミガメでした。その後、再びカタクチイワシの群れがやってきたり、
ミノカサゴが遊びに来たり、
まるで竜宮城にでも遊びに来たかのような不思議なひと時でした。
甲羅や手足、尻尾や顔などかなりじっくり観察もさせてもらいましたが、全く動じず記念撮影にも応じてくれました。
30分以上も1匹のカメとこんなに長い時間を過ごしたのは、私のダイビング人生で初めての事でした。
甲羅にも触れさせてもらえ、
握手もしてもらいました。その大きな甲羅には緑色のコケと大きなフジツボ2つがとても印象的な個体で、圧倒的な存在感と威厳を感じました。
そして、妙に神秘的で、
なにか感慨深い気持ちになりました。随分長く一緒に居たので、そろそろ戻ろうかと思っていたら、そのタイミングで泳ぎ出したウミガメ。
そして、一緒に3分間ほど泳いでくれました。徐々にウミガメの泳ぐスピードが上がり、ついていけなくなりました。
この後ウミガメは、相島の方向に消えていきました。
これまで何度もウミガメには会いましたが、
ここ志賀島でウミガメに会えるとは思ってもなかったので、
驚きや感動はひとしおで、
これまで何度も地元の海に通い、
人知れず海のことや自然のことを勉強し続け、
みんなに伝えようと努力してきたことが、
おこがましいですが、
ようやく少しだけ海とつながった気がしました。この個体は、きっと居着きの個体ではなく、
日本海を回遊していると思うので、
もう二度と会うことはないと思いますが、
このウミガメが今まで見たどんな生物よりも
一番感動したし、一番好きになりました。石垣島でマンタをみるより、
パラオで回遊魚を見るより、
見たことないけど、
ジンベイザメのポイントでジンベイザメをみるより、
感動は大きく、
一生忘れられない出会いになり、
自然の恩恵に
心から感謝した一日でした。
これからもっと、自然の中で遊ぶことの喜びや、
ありがたみを伝えていけるインストラクターであり続けたいと思いました。そして、これからも、海と一つになれる素晴らしさを伝えて行こうと思いました。