梅雨の終わりでした。
雷ゴロゴロ。
雨ザーザー。
スキューバダイビングのプロであるセバと僕。
雷怖い。
雷怖い。
フランス語で、
フードゥル=雷ビカビカ
エクレア=雷遠くでピカピカ
(お菓子のエクレアはここから来ている)
P8の沖、10mまで素潜り。
南西の風ビュービュー。
いくら南風でも北にある黒瀬はうねりが入る。
セバは上手。
これまでにコツコツ積み上げてきたものがある。
人生、楽しんだもん勝ち。
これは嘘。
本当は、
人生は積み上げたもん勝ち。
目移りしやすい僕。
これまでの人生において、どれほど多くの物事にのめりこんだのか。
今となっては思い返すことだってままならない。
そんな僕でも、「潜ること」に関しては、今期の人生のテーマとして、人生の半分以上の歳月を積み上げてきた。
そうはいっても、日々、全力で積み上げてきたわけではない。
急いで積んだ日もあれば、ぼちぼち積んだ日もある。手が止まって忘れかけた日もある。
でも、風化させてしまうようなことはしなかった。
蜘蛛の巣が張る前に、鉢巻を巻き直し、体勢を整え、手を動かした。
そうやってきたことで、人様に出せる程度のものまでなったんだと思う。
人生不適合者でも、それなりに生きてこれたのはそれがあったからだと思う。
昔から「潜水」という言葉を聞くと、内的ドライブが始動しはじめてしまうだけなんだけどね。
でも、ほんとうのほんとうのことを言えば、そんなものなくてもぜんぜん生きていける。
近代国家日本では、生きていける程度の仕事は残されているわけだし、住むところにも、飯にも困らない。
最悪、生活保護だってある。
だけれども、
自分の意思と努力で積み上げてきたものがある人と、ない人では、味付けというか、だしというか、その人の背後から漂ってくる匂いが違う。
ビジネスでも研究でもスポーツでも趣味でも、なんだっていい。
何かを積み上げてきた人だけに出る特有の匂い。
良くも悪くも僕はそんな香りをプンプン漂わせる、スモーキーなおいちゃんになりたい。
子供に、「おいちゃん。これ詳しいんでしょ?教えてよ。」って言われたい。
まあ、変なおいちゃんであることは間違いないんだけど。