昨日はブログを飛ばしてしまいました。
大変失礼いたしました。
昨日は、深いところをガンガン泳いだせいか、窒素(あるいは酸素)に酔ってしまいました。
僕は空気に酔いますと、コメカミあたりがズキズキと痛くなります。
その痛みは悪質な二日酔いに似ていて、一晩寝ないと回復しません。
実は今日の朝までちょっと痛くて、どうなることかなあと思っていましたが、山を登っているうちに徐々に消えて
いきました。
そして、温泉に入るとまたぶり返してきましたので、さっさと書いて寝たいと思います。
昨日はちょっとした事件のようなものがありました。
その事件というのは以下の内容になります。
サンライズの2号車エスティマにはさくらが乗っていた。
さくらというのは、コザクラインコの形をしているが、サンライズのスタッフとして活躍している女の子の一人だ。
この日は常勤&非常勤スタッフを含めた開拓ダイビングの日だったので、出張する運びとなっていたのだ。
我々は2時間ほど車を走らせ「立神岩」に到着した。
立神岩というのは、岩が海辺から突き出ている岩のことだ。
サーファーが集まる唐津の名所の一つである。
ダイバーが安全にエントリーできるよう土嚢袋が置かれていた。
砂地まで歩いてフィンを履き、立神岩にまわりこむように潜っていく。
どうなっているのかとても気になった。
しかし、風が強い。
北西風。
その風はさくらの羽とまゆこんぐのサラサラな髪をなびかせていた。
サーファーが集まるだけあって、このあたりの海岸は波への反応が早い。
すでに腰から胸くらいの波が上がっていた。
立神岩の開拓はあきらめて、家康ポイントに移動することになってしまった。
前置きが長くなってしまったが、「家康45事件」の舞台はここだ。
メンバーはRIO、店長、たつぼう、まゆこんぐ、ふーみんの5名。(小夏とめぐは欠席)
左側の鉄柱(外海側)から潜って、右側の鉄柱(内海側)方向に泳ぐと、通常であれば、5〜6キックも泳げば右側の鉄柱が見えてくる。
しかし、堤防の半分以上先から潜ると、右側の鉄柱方向に泳いでも右側鉄柱が見つからないことがあるのだ。
右側の鉄柱がどうなっているのか。
それが今回のテーマになった。
まずは、堤防先端を目指す。
潮は堤防と並行に先端方向へと流れていた。
大潮の引き潮ということで表層付近の流れは強く、苦労なく水面を泳ぐことができた。
なかなか好調な滑り出し。
ふーみんは鉄柱間の距離を測定する係に任命した。
今回最も大事な役周りだ。
店長はカメラで作業の様子を撮影する係。
腕を負傷しているため、楽な役回りをあてがった。
まゆこんぐは鉄柱の数を数える係。
数を数えるだけならということでまゆこんぐに任命。
たつぼうは残圧や減圧不要限界を管理する係。
作業ダイバーでもあるたつぼうにピッタリな役。
結果から言えば、DECOが出ることなく、作業はスムーズに終わった。
堤防先端から堤防中央までに設置されている右側の鉄柱(内海側)は、間隔が広いところはあるのだが、ごっそり抜けているということはなく、等間隔に配置されていることがわかった。
しかし、右と左の鉄柱が向かいあっていない箇所があったため、左側の鉄柱から右側の鉄柱へと並行移動した際、見つけらないことがある。
特に濁っている時などは。
なるほど。
そういう理由だったのか。
何番目の鉄柱がどの程度離れていたのか、そういう細かいことは置いておいて、
まずは鉄柱の数が何本だったのか知りたい。
担当のまゆこんぐに聞いた。
すると、耳を疑う答えが返ってきた。
「43か45です」
えっ???
43か45!!
「どんな色だった?」と聞いている訳ではないのだ。
色というのは人によって見え方が違う。
「赤か朱色です」これならわかる。
しかし、我々が知りたいのは、たった一つの数字なのだ。
43本か45本。
さあ、どっちなんだい!?
ふーみんは鉄柱間の「距離」をスレートに記録していた。
それによると「42本」となることがわかった。
もし、まゆこんぐが言うように43本か45本だった場合、ふーみんの記録したものはすべて意味をなさなくなる。
ふーみんは記録しているスレートを何度も確認しながら42本であることを主張したが、まゆこんぐは一歩もひかない。
「42はないです!絶対に43か45です!」
生来の頑固さと謝罪嫌いが発揮され、断固として43か45を譲る気はない。
そこまで言うなら、もう一回数えて白黒はっきりさせるしかないじゃないか。
前回、ふーみんとめぐが左側(外海側)を数えたときは43本だったのだが、ちょっと曖昧に数えていたらしいので、ついでに左側(外海側)も数えることにした。
左側(外海側)は店長、たつぼう組。
右側(内海側)はふーみん、まゆこんぐ組。
僕は頭も痛かったしアホらしいのでお留守番。
ふーみんとまゆこんぐは無言のまま堤防沿いを水面移動する。
雰囲気は悪い。
無言の移動だ。
ふーみんは緊張していた。
もし間違えていたら全部やり直しをするだけでなく、後から散々馬鹿にされることがわかっていたからだ。
もちろんまゆこんぐも緊張していた。
1本目、水中で誰かに話しかけられた時、数えたのか数えていなかったのか曖昧になったことがあった。
それが43か45という二つの数字を導き出した原因なのだ。
陸で、ああは言ったが今となっては後悔の念が押し寄せてきていた。
間違っていたら、数もろくに数えらない「アホ」といわれるに決まっている。
かけあがりの鉄柱まで来た時に45はないと思った。
でも、43はあるだろう。
そう思って先に進んだ。
希望を持つことは私にできる最後の「支え」だった。
しかし、42の先にあるはずの43の鉄柱はなかった。
一瞬ぼやっと見えたような気もしたが、堤防の壁だった。
さっきまで暗かったふーみんの顔に笑みがこぼれる。
手を叩いて喜ぶ。
マスク越しに笑っているのが見える。
私のカメラをひったくった。
私の書いたスレートを撮った。
性格悪い。
数を数えることもできないわたしは馬鹿だ。
アホだ。
足手まといだ。
今度から数を数えるみたいな難しいことはやめて、後ろからついてくるだけの作業をしよう。
後ろからついてくる作業ってなんだろ。
店長とたつぼうは左側の鉄柱を10分で数え終えていた。
そのあとは撮影ファンダイブ。
左側の鉄柱の数は「42」だった。
ここがタイランドなら左42で右45がありえたかもしれない。
もしくは、右になんらかの複雑な流れが発生していたら右45がありえたかもしれない。
しかし、ここは向かいに島があり、流れもなさそうなところで、生真面目な日本人が作っているんだから、同じ本数になるに決まっている。
左右対称が当たり前なのだ。
最後にたつぼうに聞いた。
もし、調査の潜水士が43か45ですって言ったらなんていうの?
「ちょっとお話になりませんね。」
水浴びさくら。
びちょびちょさくら。
まゆこんぐは全員分の唐津バーガーを買ってお詫びをしたいと言い出した。
43-45とか言わなければ2本目に別の調査をしようと思っていたのだ。
この事件は、家康も通った虹の松原で、「家康45事件」と命名された。
ポテトは一つしか買いません!!
そんなお金ないです!!
ハンドルさくら。
RIO