今年、MSDになるダイバーは2人。
過去最高に少ない年となった。
DM候補生はもちろんゼロ。
このまま衰退の一途を辿りそうなサンライズ御一行様ではあるのだが、そういうことは気にしてもしょうがない。
やれることをやり切るだけだ。
昨日、レスキュー講習生とファンダイバーを連れて黒瀬へ向かった。
南東の風で若干水面は荒れていたが、それくらいの方がレスキュー講習にはちょうどいい。
サンライズのレスキュー講習では必ず一度は黒瀬で潜る。
足場が悪く慣れない環境に加え、上級コースという初めての経験は大きなストレスがかかる。
レスキューダイバーともなれば、初めての環境でも短時間で慣れる精神力を養う必要があるのだ。
何百本も潜っているくせに、環境変わると、いきなり初心者みたいになる人がいる。
そういう人は「いつもはボートしかやんないから、ビーチとか無理だし!」みたいなことを言いがち。
彼らは、事故を起こす確率の高いダイバーであることを自覚していない。
僕がそういうダイバーと潜る時は、安全を最優先し、楽しみを犠牲にするダイビングガイドを行う。
何百本という肩書きは、役に立たないのである。
サンライズのレスキュー講習では、とにかくストレスをかけまくる。
プチ極限状態の中、集中力を高めてもらい、現代の甘えきった精神を取り払う。
そして、眠っていた人間本来の野生を取り戻す。
決していじめているわけではない。
スキルチェックでは自分の実力を自身の体で認識する。
これはウエイト脱着。
ダイビングに慣れてくると自分の苦手なスキルを忘れがち。
まずは「自覚」がレスキューの基本。
あしつりを直すスキル。
あれ?簡単にできると思っていたのにおかしい。
ダイビングとはそういうものだ。
ラムちゃんはマスク脱着をしたあと、マスクのスカートがひっくり返ってしまって、水が入ってきていた。
水面で直して戻ってきたけど、上がらず水中で戻した方がよかったね。
水中で起きたトラブルは水中で直すようにしよう。
水面で疲労したダイバー。
基本、口しか動かない。
行動を観察し、必要に応じて手助けしてあげる。
男の人はよく「全然大丈夫です」と言いがち。
女の人は他人に迷惑をかけたくなくて「大丈夫です」と言いがち。
大丈夫じゃないのはみたらわかるんだけどね。
水面でパニックなったら、演技でも副鼻腔に水が入る。
助ける方が絶対にらく。
これをやると、カロリーを使ったなって感じになる。
水中ではエア切れのトラブルも起きる。
そのまま水面でパニックになる人もいる。
意識不明ダイバーの引き上げ練習。
ドライは重い。ウエットは軽い。
ダイビングは、何事も寒い時の方が難しい。
この日、はるか昔にレスキュー講習を終え、MSD以上のサンライズっ子たちが見守ってくれていた。
ざき、あやかペア。
今回、ざきさんにはレスキューされる役ではなくバディダイブ組に入ってもらった。
ちゃんまりと朝顔ペア。
二人は若いが、何気にダイビングが上手い。
ナビもそこそこできるし、安全管理ができるし、生物も探してくるし、写真もそこそこ撮ってくる。
ちゃんと潜っている日本の若い女子ダイバー100人集めて、1人いるかいないかではないだろうか。
サンライズには複数人いるのだ。
すごいだろ。
後半は誰もいない白瀬で。
西陽になったら山の影で光がなくなる。
ストレスの極み。
バディブリージングの練習。
二人とも賢いし、とても冷静。
海の中での行動を見ていると、その人の性格がよくわかる。
時間がなくなってきたので、どんどん進める。
コンパスをささっとやって、意識不明ダイバーを曳航する練習を開始。
BCの構造を理解していないと器材を外しずらい。
同時進行で作業を行うため頭を使う。
体の使い方がなってないと、ダイバーを岸に上げられない。
すでに疲れているので、気力を振り絞ることも大事。
引き上げのスキルが役に立つのがいつなのかはわからないが、これをやることで普段のダイビングが楽に簡単になることは確か。
2回目。
水深2mくらいのところにはクロウニが多いので、足はつかないようにする。
昔はそんなこと気にしないでできたなあ。
ラムちゃんの基本的性格。
「まあまあできていたらいいだろう」がでていた。
残念ながら、それでは合格点をあげられないのだ。
反対によっぴーは几帳面。
しかし、体力がない。
そのせいで苦戦していた。
頑張ろう。
歳のせいで体力が落ちるというのは、真っ赤な嘘。
大人になって運動不足になっただけ。
アスリートは70%〜80%近い力を出せる能力があるので、年を取るとパフォーマンスがガクンと下がるわけだが、
一般人なら、最高出せても30%ぐらいじゃないか。
30%程度なら70歳になっても余裕でキープできる。
さて、30%以下になっていると思った人。
ジムなんか行かなくていい。
ジムなんかどうせ続かない。
しかも、ジムだとやった気になるが、実際はたいしてやってないことがほとんど。
じゃあヨガは?ピラティスは?
ああいう類の運動は体力向上にはなんの役にも立たない。
(デスク仕事オンリーでおばあちゃんになった人にはなんぼか役に立つ)
というか、ヨガとかピラティスとか本気でやっている人はあまりダイビングには向いていない。
マインド的にも体力的にも。
ではどうするべきか教えよう。
① 目の前のエレベーターには乗らず「階段をダッシュ」であがろう。
②街を歩く時は「全力早歩き」で歩こう。
以上2点を毎日やれば30%に到達可能だ。
30%あればレスキューなんて楽勝だ。
というわけで、やり切った。
お疲れ様。
めっちゃいい顔。
RIO