2023年2月1日から毎月開催中のウミウシ★ラボ。
今年10回目となる11月の調査報告。
●実施日:2023年11月1日
●気温:25℃/晴れ
●水温:20~21℃
●波浪:凪
●潮汐:中潮
●参加者:きゅう会長・前田
●調査エリア:志賀島・白瀬
①ウミウシ岩周辺→P8→立岩(93分)max9.1m
②P1→P4→P7→P5→P3(84分)max14.5m
●観察できたウミウシの数:25種
全体的に生命力が弱い雰囲気。
しかし、エリアにより生命感が全く違う。
海藻が活き活きしている場所とそうでない場所では生物の数が全く違う。
海藻がないエリアには生物が極端に少ない。
これはウミウシだけに限ったことではないが、ウミウシに関しては結果は顕著。
海藻が活き活きしているウミウシ岩には生物が多い。
ウミウシ以外にもギンポやタツノオトシゴなども含めて探すのが楽しい季節になってきた。
水温が下がると増えてくるホヤも増えた。
ホヤを餌とするウミウシも多い。
海藻だと勘違いしているダイバーも多いかもしれないが、こちらのコケムシも増えた。
このコケムシは【ジュズツナギコケムシ】という名前である。
拡大して見ると、その名の通り数珠を繋いでいる様な形をしているのが分かる。
そしてこれには人気のトゲトゲウミウシの仲間、タマガワコヤナギウミウシやコヤナギウミウシがついている。
しかし今回の調査では、これを住処とするウミウシが他にも居ることが判明した。
コナフキウミウシだ。
ちなみに写真左に写っているのはコナフキウミウシの卵塊である。
この日だけでも少し探すだけで簡単にコナフキウミウシやその卵塊を確認することができた。
これまでレア種だったこのウミウシの餌や住処が分かったことで、季節になれば簡単に見付けることができるというのは大きな成果であった。
またウミウシの卵塊は他にも数種確認できた。
これによりウミウシの卵を主食とするツルガチゴミノウミウシの姿も見られた。
いつも10m付近で多い気がするが普通に浅い水深でも見られた。
相変わらずサキシマミノウミウシは水深5~8mくらいに多い。
シロウミウシはどのエリアにも満遍なく多い。
多すぎて他のウミウシに目が行かないので困ったものである。
増えたと言えば、ミドリガイ系のウミウシ。
大小様々。
あとは、今シーズン初のイナバウミウシと
ツマグロミノウミウシも見られた。
ミノウミウシ系もこれからだ。
着底したばかりであろう極小のツノワミノウミウシ、
コトヒメウミウシ、
シラユキウミウシなども観察できた。
前回の調査でP7に居たスミゾメミノウミウシは成長しているかと思いきや姿を消していた。
しかしP5に小さなサイズのスミゾメウミウシが観察できた。
志賀島はやっぱりウミウシの宝庫である。
ウミウシが少ないと思われる秋のこの季節でも今回は25種のウミウシが観察できた。
これからウミウシが増え、益々調査が楽しくなる季節に突入だ。
次回のウミウシ★ラボは、11月15日。
来月は12月6日開催予定。
リクエスト可。