朝6時天神。
夜明け前の上人橋通りにダイバーたちが集う。
本数が100本未満のビギナーダイバーたちである。
道中、広川SAであゆみんを、宇土駅でなべろーを拾う。
現地施設には11時に到着した。
普通に行って5時間のドライブ。
なかなか遠い。
このお店は廃校になった中学校の物置部屋みたいなところを改装して作られているため、学校のプールと直結していた。
プールの隣にはグラウンドもあるので、鬼ごっこし放題。
施設内は女性特有のきめ細やかな構成となっていて、清潔感が漂っていた。
一見、足りなそうに見えて、実は足りるという感じである。
遊び心にも気を使っており、休日感をアップさせてくれる。
テイッシュケースにもこだわりが。
ウミウシ好きのあゆみんは大喜び。
手を叩いて、大口開けて笑っていたとかいないとか。
施設を一通り見たので、ここで腹ごしらえ。
焦らない、焦らない。
ここでサンライズビギナーメンバーをご紹介。
ラム。
今年の4月からダイビングを始めたのに、なぜか大御所感が漂う。
適当なことを口にするが、実際は繊細で記憶力がよく見識に富んでいるのが特徴。
あゆみん。
ふーみんの弟子であるしもみんの弟子、孫弟子になったので、あゆみんと名付けられた。
サンライズ男子最年少で最恥ずかしがり屋。寒さと女子には弱いが、どんなことでも我慢できるのが特徴。
今年の6月からダイビングを始めたのでラムより少し後輩にあたる。
うみんぐ。
ラムと同期。
名前がうみとなので、うみが進行していくということで「うみんぐ」となった。(うみんぐ大島ともかけている)
うみんぐは自分の最適なペースを的確に守る。性格は怖がり屋さんであるが、どんなことが起きても文句を言わないので、話やすいし、付き合いやすいのが特徴。
なべろー
鯵のなめろうが好きなので、なべろーと名付けられた。
会社に振り回されて熊本に飛ばされるも、サンライズが好きなのでそのまま在籍。
新潟出身なので九州人にはない独特の雰囲気を醸し出す。
無類の水族館が好きなので、今後、さらなる「生物オタク」になっていく可能性を秘めている。
このツアーでは、ありとあらゆる、「濁り」「流れ」「水深」「生物」を安全に経験することで、海の経験値をあげる目的で行なっている。
ビギナー時代のダイビングは「深い思い出」が増えやすいので、なおさらいい。
今後も定期的にビギナーダイバー練習会ツアーをやっていこうと思うので、今回参加できなかった100未満の方はぜひ参加してもらいたいと願う。
船までは歩いて50歩。
ハイヤ大橋が見える。
船に乗り込む。
潮が引いていると垂直ラダーを降りなければならない。
低山で鍛えた「脚力」を披露するときなのだ。
船はこぢんまりとしているので、ダイバー10名近くなるとちょっときついかもしれない。
島に囲まれた牛深の海。
ちょっと先に進めばそこは鹿児島である。
北西風が吹き荒れているにもかかわらず、海は穏やかだった。
ここは南がふいても北がふいても大抵は潜れるのだろう。
ただ、潮があまり流れないので、「濁り」がとれにくいらしいけど。
昔、潜っていたブリパ(下の倉)を通り過ぎ、牛深海中公園を目指す。
(ブリパではカエルアンコウとリュウグウケイのウミウシたちが思い出される)
日本中にいくつもある海中公園、釣りも漁も禁止なので生態系が荒れていない。
船は水深5mくらいのところに停泊した。
水底には黒いナマコが寝ているのが見える。
待つこと20分。
怖い怖いうみんぐと怖い怖いあゆみんが入ってきた。
見てわかる通り、この船は内湾用だから、舷が低い。
慣れてきたら、外用向けの船で、真っ逆さまに落ちるバックロールを経験してもらいたい。
このツアーには焦らせるベテランがいないので、ゆっくり自分のペースで慣れていけばいい。
このツアーは「ショップツアー」なので、完全に「サンライズのペース」でダイビングをすることができるので練習しやすいと思う。
これが個人で行くと、こうはいかない。
基本的には自分の希望はほとんど通らない。
大抵は、現地ショップの都合でポイントが選定され、現地ショップの都合でガイドが決まり、現地ショップの都合でルートとダイブタイムと見れる生物が決まる。
完全マンツーマン、なんでも言うこと聞きます!みたいなところで潜ればいいわけだが、そういうところはガイドと相性が悪ければ最悪なのである。
個人で最高の希望を通そうと思うなら、ダイビングショップ巡りを大量に行い、いいところを見つけたら何度も通ってオーナーに気に入られるしかないのである。
(そこまでいくまでにあきらめそうだ)
そんなに上手くならなくてもいいや、その辺の海で適当に潜れたらいいんだ、みたいな人はそんなことする必要はないので安心してください。
下巻に続く。
RIO