ダンゴウオの全盛期はもう終わったよ。
出し抜けに、現地の人からそう告げられた。
どうやら、10日前がピークだったらしい。
僕たちは、残りカス的な残党を捕まえるダメ刑事みたいになってしまった。
でもそんなことを気に掛ける我々ではない。
不知火で採れたみかんたちを買っていざゆかん。
白濤ビーチには、施設はない。トイレもない。
着替えもトイレもそのへんで行う。
女子も男子も関係なくだよね。
しゃー!
そう、ここは有明海。
水深3mより浅いところにいるので、ウエイトはプラス2キロは重くするのだ。
水温は思ったよりも高い。15度。
でも、海藻はいい高さに伸びていた。
これくらいないとダンゴは出ないもんだ。
ダンゴウオは見つからない。
予想通りである。
きゅうは飽きてウミウシ撮影。
ベテラン六人で40分以上潜ってさ、血眼になっても見つけられないんだからね。
いやになっちゃうよ。
コケギンポの方が目についちゃうよ。
それこそ、ミドリアマモが気になっちゃうよ。
海藻もぐもぐ。
アメフラシが大きいよ。
春のヒメイカがかわいいよ。
最後の最後に店長が見つけた。
やったぜ!
天使の輪っか付き。
大きさ0.5センチ。
小さすぎて、一眼ではなかなかピントが合わない。
これはこなつが、オリンパスTG5で撮った写真。
あれだけ探して、1本目はこの1匹だけ。
水深2.5mのウミウチワがたくさん生えているところにいたんだね。
ワカメの茎にいることもあるけれど、ワカメまで探していたら目が疲れちゃって集中力が切れてしまうので、ウミウチワ限定で探す方がいいとおもう。
2本目は潮が引いてしまった。
歩く距離が長くなった。
汗がすごいでる。
しかも先ほど見つけたダンゴウオがいた水深は「70センチ」と浅くなってしまった。
こんなに浅いと波の影響を受けてフラフラと体が動く。
カメラはぶれて、ちょっとしたことで濁る。
それなりの技術と経験が必要になる。
特に一眼だと、水深3mはあったほうが撮りやすい。
ウミウシも浅すぎるとむずかしい。
結局2本目は大ちゃんが幼魚を1尾見つけた。
僕は湾奥に帰っている途中の水深90センチのところで成魚(幼魚との境)を見つけた。
ハエみたいに泳ぎ回っているし、波で体が揺れるので基本撮れない。
これは偶然撮れた、奇跡の一枚である。
こんな遠いところまで来て、ダンゴウオゼロだったら、悲しい気分で帰るところだった。
もし、見つけられなかったら、普通に有明海を楽しんだ方がよかったじゃないかと全員が思うことだろう。
ゆるやかだったけれど、ストイックなダイビングだったなあ。
クラゲさん。
僕は浮遊系の方が好きかもしれないよ。
器材を洗うために、熊本市内の湧水公園にきた。
有明海の栄養分豊富な砂を流す。
気分も入れ替える。
イシドンポがいた。
ドンコじゃないよ。ポだよ。
アゴハゼに似ているな。
透明度30m。
カメラも洗う。
水温は井戸水だから、19度。
ウグイがいた。
この魚は海にも住める 。
なんで知っているかというと、昔、糸島で釣ったことがあるから。
うぐいは川の魚なのに、オキアミをガンガン食ってきたことに驚いた。
川に戻ったら、ザリガニを食べだすのだろうか。
ウナギにしろ、ウグイにしろ、ウがつく魚は好奇心が強いのかい?
そういえば、この日、湧水公園にもいろいろな人間たちが集まっていた。
熊本の非行少年たちが警官に補導されていた。
熊本の小学生男子が水着で遊泳していた。もちろん水温19度。
その横でこなつがドライを着てウエイトを洗っていた。
熊本の湧水は淀みに浮かぶ泡沫うたかたのように非安定的なのである。
では、まとめ。
ダンゴウオ探し天草への旅には、今年はもうやらないということです。
ダンゴウオはこれから先、簡単には出てこないだろうし。
そもそも、ここで潜るには問題が多い。
タンクを福岡から持ってくるのため、前日シャワーに取りに行かないといけないし、後日返す手間も増える。
現地施設が何もないのでトイレにいけない。
トイレまで車で10分くらいかかる。
湧水公園で器材を洗うのはおもしろいけど、疲れるし、めんどくさい。
荷物の積み下ろしが増えるからね。
野営的ダイビングに慣れていないサンライズっ子たちは、基本、嫌だとおもう。
僕は嫌だ。
いーーーーやーーーーだーーーーーーーー!!!!
(次回はちょっといい方法を考えます)
RIO