こんにちは、マエダサチコです。
北東の風吹く秋を感じる陽気の中、昨日はホームグラウンドの海、志賀島白瀬に行ってきました。
波の高さは1mで水面は少々バシャバシャ。
体験ダイビングやオープンウォーター講習なら中止にしてたかもしれません。
しかし、昨日はつばさのダイブマスターのガイドテストとデモンストレーションテストということで張り切ってやってきました。
ゲストはこちらの3名。
ダイブマスターのカリキュラムも残すところテストのみ!
徹夜したことを感じさせない元気な笑顔で挑んでくれました!
貸切の白瀬。
上手くいけばこの日認定ということで、みんな合格を願っていました。
その中でも私が一番合格してほしいと、そう強く思っていました。
だいたいダイブマスターコースなんで一年以上もかけてだらだらとやるもんじゃないし、なにより彼女のモチベーションが下がらないようにしたかったから。
最低限の課題をクリアできれば認定して、それから少しずつ上達してもらえばいいしと思っていました。
台風の影響で浅瀬の地形はすっかり変わってしまっていたので、つばさが惑わされないかも心配していました。
しかし、今となっては、そんな事いらぬ心配でした。笑
つばさにはそんなこと分かるわけがなかったのです。
ではでは。
まず、ダイブマスターのテスト(ガイド・デモンストレーション)の様子からお届けしていきます。
写真と一緒にイメージしながら読んでもらえれば幸いです。
人と話したり何かを共有するのが苦手なつばさだけど、手先が器用でとにかく作業が速いんです。
たっちゃんタイプですね。
荒れた水面をスイスイ泳ぎ、わずか2分半でブイ設置完了。
心配した透明度はさほど悪くなく3~5mは見えていたので安心しました。
エントリーして順調に
『カワハギ』
『ニジギンポ』
『メバル』
『イワシ』
淡々と生物を指さし、綺麗な字で書いて教えていきました。
教えるというか、課題をこなすと言った方がいいかもしれませんね。
ゲストを楽しませるとかそういうのはまだまだ早く、求めてもいませんから。
与えられた課題をこなすのに精一杯でいいのです。
最初はみんなそんなもんだから、いいんだぞ。がんばれがんばれ。
残圧もしっかり聞いて、5キックに1回振り返って、プロらしいフィンワークも意識しながら丁寧に泳いでいました。
順調な様に思われたのですが、、、
20分を過ぎても課題のP8に到着しません。
つばさはコンパス片手にきゃろきょろきょろきょろ、ケソケソケソケソ。
誰もが分かりました。
迷っているんだと。
とはいえ、まぁ緊張もしているだろうし迷うのは仕方ない。
一旦浮上して山立てすることに。
しきりなおすぞ。
少し透明度も上がってきたので、急ぎ足でP8を目指していきました。
しかし行けども行けどもP8は出てこない。
時間切れで1本目終了。
その後、先輩DM立花さんに見守られながら、デモンストレーションのテストを実施。
ホバリングは全然上手くいかなかったけど、
他のスキルは見ていられるくらいに上達し、デモンストレーションのテストは晴れて一発合格しました!
おめでとう!
この勢いでガイドのテストも合格しておきたいところ。
なので、2本目は四つ岩まで行くルートを指示していたのを、急遽変更し全て1本目と同じ課題にしました。
とにかくP8にさえ行ければ、後は色々おまけして合格を出してあげようと考えていました。(わたし優しい)
しかもラッキーなことに、2本目エントリーすると透明度もかなり上がって、7mくらい見えてたと思います。
これはいいぞ。
順調に生物を教えるつばさ。
『アミメハギ』
『カサゴ』
『きゅうせん』
『マダイ』
『ソラスズメダイ』
いいぞいいぞ。
でもその岩、P8じゃないぞ?
名も無き岩を4人でぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐーるぐる・・・
さすがにごまかせないので、コンパスを再びセットして泳ぎ出す。
が、その甲斐むなしく、30分をすぎてもP8には到着せず再び浮上。
デジャブだ。
ざぶーーん・・・
その後、なにもないガレバをひたすら泳ぎ続けていきました。
おりこうさんに付いて行くまりちゃん。
まだP8には着かない。
その頃のつばさはもう何も気にしていない様子でした。
フィンキックもぐちゃぐちゃ。振り返りもしないし、生物も探さない。
ゲストが何やら見つけても無視していました。
つばさが探しているのはもうP8だけとなりました。
しかし、泳げど泳げどP8は見つからずガイドテストは時間切れで終了。
結果は言う間でも無く、不合格。
理由はひとつ。
技量不足。
ただそれだけ。
ゲストの3名はお金を払って休日を使ってはるばる来てくれたのに、申し訳なさすぎるのでガイドをバトンタッチ。
あれだけ探して見つからなかったP8は堂々といつもと同じ場所に鎮座しておられました。
こちらのソラスズメダイも、
サザエを宿にしたヤドカリもいつもの場所におられました。
そう、それがP8。
いつものウミウシも
秋を感じさせるウミウシも、
普通種たちも普通に観察できる。
P8は近くて楽しみも多い。
初心者講習や体験ダイビングでは絶対に行くエリアで、白瀬をホームグラウンドにして潜るプロダイバーならここだけは目をつぶっても行けなければプロ失格なのです。
練習では普通に行けてたP8・・・山立てし直し、場所を細かく確認し、次回の再テストに備えるのでした。
そういえば、昨日、P8の岩のくぼみに大きなマダコが抱卵していました。
まだ産み付けられて間もないぷりっぷりの真っ白い卵をたやすく見ることができました。
幾度となくサンライズのブログでは伝えたことがありますが、このマダコ。
僅か1年の寿命のお母さんが約ひと月もの間、飲まず食わずで自分の産んだ卵を守っていきます。
新鮮な水を送ったり、敵に食べられないように戦ったりして腕の1~2本くらい失っても、魚に噛みつかれて傷だらけになっても守るのです。
ひと月が経ち、無事に最後の卵が孵化すると、満身創痍でそのまま命が果てるのです。
死骸は分解されて有機物となり、プランクトンを発生させ、それが生まれたばかりの子供たちの餌となる。
こうして命が繋がっていくのですね。
そんな感動的な自然の営みがこんなも近くでみれるなんて、何だか感慨深いと思いませんか。
昨日は抱卵中のマダコに6個体くらい会えました。
今年の夏は水温が一気に上がったので、産卵に適してなかったのか、ほとんど見ることができなかったけど、水温23℃の今、あちこちで観察できています。
ま、つばさは見せてくれませんでしたがね。笑
他にもスイートジェリーミドリガイや、
レアなチゴミドリガイにも会うことができたし、
辰ノ口みたいな小さなエビも居ました。
アカホシカクレエビですね。
しばらく同じ場所に居てくれたら更に楽しみが増えますね。
エキジットする頃にはどんどん透明度も上がってきました。
浅瀬にはカゴカキダイの群れや
ハコフグの幼魚も見られて、
ガイドテストは上手くいかなかったけど、初秋のホームグラウンドの海を満喫することができました。
明日の志賀島も楽しみです。
ご参加の皆様、貴重な一日をサンライズで過ごしてくれてありがとうございました。
ではまた明日。