メジナの呼び名が地方によって変わるのはそれだけ庶民に食べられているという証拠である。
ほとんどの魚たちは庶民に相手にされないから呼び名は和名の一つだけ。
魚は人気がある順にあだ名を付けられていくのだ。
関東ではメジナ(和名)
関西ではグレ
九州ではクロ
他にはクシロ(伊豆)、ヒコヤ、チカイ(北陸)、ツカヤ(丹後)、クロヤ(舞鶴・山口)、クロアイ(山陰)、クレウオ(枕崎)、シツオ、クロメダイ(鹿児島)、クロベエなどもある。
サイズでも呼び名が変わったりする。
20cm以下は木っ葉グロ(木っ葉とは木の葉っぱのようだという意味)
もしくは木っ葉グレ。
スーパーで見かけた時にはぜひ見て欲しい。
どの名前で売られているのか。
たまにクロダイと書かれていることもあるが、それは本当のクロダイの可能性がある。
スーパーのおばちゃんたちはクロもクロダイも同じようなものだと思っているのだろう。
ちなみに味は圧倒的にクロの方が美味である。
値段もクロの方が高価であるのでクロダイの価格で売られていたらそれは買いである。
(ダイバーならパッと見て種類を判別できないとやばい)
日本で見られるメジナはメジナ、クロメジナ、オキナメジナの3種であるが、見た目は似ているが性格は違う。
この中ではメジナが最も警戒心が強く引きこもりがちだ。
だがご飯のときになると一斉に出てきて群れで行動する。
群れでないと行動しない臆病な性格でもある。
エサを撒けばホイホイ寄ってくる大胆さみたいなものは一切ない。
大きくなればなるほどこの傾向は強くなる。
いつもグレーのコート羽織っていて周囲の風景に溶けこんでいる。
いかなる時もグレーのコートを脱ぐことはない。
目は真っ黒でクリクリしていて視力はいい。
いざとなれば遊泳能力も高く、自宅に帰るスピードは誰よりも早い。
記憶力もよく危ないところにはなるだけ近づかない。
とはいえ、スナイパー(捕食者)になりたいわけではない。
その辺に生えている海藻で生活可能だ。
なんと生きることに長けた魚なのだろうか。
節約好きで目立たない、警戒心が強く群れることが好きで頭もいい。
これはどこかで見たことがある。
そう日本人の生態ではないか。
メジナを観察すればするほど僕の思いは年々強くなっている。
秋から冬にかけて成長していくところも日本人に似ている(忘年会と新年会シーズンは冬)
魚類の中で「完成された魚」と称されるメジナだが、アジアで唯一主要7ヶ国に入っている日本人がメジナと似ていることを考えると民族として完成されているという証拠にもなりうる。
世界各国の後進国はみんなでメジナになれば先進国になれる(と思う)。
メジナは低水温でも活発に動くという忍耐強い点も日本人に似ているが最近の日本人はメジナのように我慢強く(打たれ強く)なくなっている気もするのだが。
はたしてどうだろうか。


