続き・・・
ボールに書かれている、アルファベット3文字と数字でその賞品を予想する。
めぐは確か、MSKを拾ったと思う。
これはわかりやすいね。
琴音は潜る直前、なんでかわかんないけれど、どばどばと鼻血を出して、ストレートパンチをもらった女ボクサーみたいになってしまった。
なので、ボール拾えたのは、一番最後。
けれども、ざっきーが数字の高いボールを残しておいてくれた。
琴音は4000を拾う。
「やさしいざっきーさん。やったー。」
元気になった、琴音はマイi-phoneで水中撮影を開始した。
琴音の作品はまたのちほど。
ボールを拾って、水面移動中。
たつぼうがオトシゴの幼魚を発見。
水面を泳いでいた。
今年が、辰年だったら、さぞかし縁起のいいことだったね。
一本根にいたクマノミはまだまだ元気だった。
このときの水温は16度。
14度くらいまでしか水温が下がらなければ、楽勝で越冬するだろうね。
冬に負けるな。俺のクマノン。
ハタタテダイが舞を舞っていた。
五人囃子が頭に浮かんだ。
ウミウサギガイを見つけた。
縁起のいい貝だ。
君は竜宮城に来ている。ウサギガイは僕にそう告げた。
ふーみんがこの日400本を迎えた。
フラッグの文字はまゆこんぐ。
タコはふじこ。
ネコと松はつばさ。
三人の女子による合作だ。
2021年、ふーみんはよく潜った。
これまでのペースとは比べ物にならないほどのハイペースだった。
そのおかげで、今年、一気に400に到達した。
ふーみんの姿を、ブログあるいは現地で、頻度多く見ているのに、「まだ400本しか潜っとらんと??」と思ってしまった方もおられるかもしれない。
DMになって数年経つし、これだけ来ているんだから、700本くらい潜っていてもおかしくないんじゃない、と思われても不思議ではない。
しかし、ふーみんはDMになったあとは、月に1回くらいしかこなかったので、本数はそれほど増えてなかったのだ。
ということは、裏を返せば、「まだ400本しか潜っとらんと??」の言葉の裏には、プロとして、スタッフとして、貫禄なり威厳というものが、醸し出されてきた結果なのかもしれない。
だから、この言葉はある意味で的を得ているとおもう。
このフラッグに書かれている誇らしげなふーみんの顔はそのあらわれなのだろうか。
それにしても似ている。
この先、500、1000と増えていくとはおもうけれど、本数だけをがむしゃらに増やせばすごいんだ、みたいな考えを持たずに、今まで同様、1本1本を噛み締めて、考えながらもぐってほしいと思う。
その蓄積こそが、人生における原風景のひとつとなるのだから。
そのあと、トラ年にちなんで黄色い魚、ミジンベニハゼに挨拶にいった。
きゅうが撮ったこの2尾は、正月早々の秘め事を、出し抜けに覗かれて驚いている若夫婦のようであった。
そう考えると、ちょっと趣味が悪い。
とはいえ、正月に深い海の底にいるんだなあと実感する一枚だ。
ちなみに、これが琴音が、i-phoneで撮った写真。
光を調整すれば、いい写真になりそうな感じがした。
構図は上手い。
このスマホ撮影は、アプリ上でAIが簡単に色補正してくれる。
だから、適当に光を当てて、構図を調整して、思いつきで撮ればいい。
スマホに慣れている人。コンデジを持ちたくない人。撮ってすぐSNSにアップしたい人。とりあえず、カメラを持って水に入りたい人。そういう人にはもってこいのハウジングだ。
しかも、値段もそう高くない。40000円くらいだったかな。
ズームしなければ、ワイドもとれる。
もっと広い画角で撮りたい人は、外付けのワイドレンズをつければいいです。
これはレンズなし。
試してみたい人は、無料で貸し出ししてます。
ただし、感想(レビュー)提出が条件でございます。
東口の瀬に当てて、サンゴの鑑賞。
サンゴは冬でもサンゴだった。
特に変わりなし。
上がる前にいた、初出のウミウシ。
調べてみると、「ケイウミノウミウシ」でした。
すごい派手だ。
まさにサンゴの申し子的な色と形。
正月にはふさわしい。
ほくろみたいな目もある。
陸にあがってきたら、景品の発表会。
今回一番よかったのは、キュウのメッシュバッグだったかな。
あと、シェリーのアクアラングフリースもなかなかよかった。
似合ってたし。
そんで、めぐはやっぱりマスクだった。
そうこうしていたら、漁協長のこいずみさんから、お年賀をいただいた。
鍋いっぱいの、伊勢海老とワタリガニのお味噌汁。
一月一日に潜りに来てくれた感謝の意だとおもう。
ほんとうのところは、8割以上、店長への愛だと思うけれど。
とにかく、見ただけでわかる美味しさと愛情が鍋いっぱいに詰まってました。
これはマジで美味しかった。
コンビニのカップ味噌汁が霞んでみえました。
あまりにも美味しかったから、そのへんの猫にもおすそわけ。
2本目はバディダイビング。
ぷくぷくぷく。
コイボウミウシ。
ブチウミウシ。
全員で西口から入った。
透明度は8m。
三ノ段には、60センチのアオリイカの群れがいた。
40匹のハタタテダイが、一斉にツノを立てて、野鹿の群れみたいに泳いでいた。
相も変わらず、ガラスハゼはムチカラマツにいた。
僕は、バディダイビングができない、シェリーと琴音を連れて、二ノ段のアンカーにいた。
そこには、夜ふかししすぎて睡眠不足気味のモヨウフグがいた。
光を当てると、まぶしそうにしていた。
正月の朝から、気持ちよく寝ているところをこんな強い光で何分も照らされて、僕がモヨウフグなら、苦情を申し立てていたことだろう。
けれども、モヨウフグの力では、人間の僕らには勝てない。
腕力、知力、財力。どれをとっても劣っている。
モヨウフグは、涼しげな瞳でじっと僕らを見つめるほかない。
モヨウフグが僕らに勝てることがあるとするならば、それは確固とした純潔性だろう。
人間たちはこの圧倒的な自然の中におかれたとき、自分は取るに足らない現象の一部でしかないことを痛感する。
そのとき、モヨウフグは言葉を発さずとも、勝ちを確信するのだ。
そして、モヨウフグは、いつものほら穴の中で平和な眠りへとおちていく。
そこに人間の立ち入る隙はない。
僕たちは、魚に勝てないことを便宜的に認めることで、自然との共存を無言のやりとりのうちに学ぶのだろう。
ダイビングはいつしか、終わりにさしかかっていた。
シェリーが見つけたこのウミウシがその合図だった。
初出のウミウシ。
さきほどのケイウミノウミウシと似ているが、大きさも配色もこちらの方が数倍の迫力があった。
リュウキュウカスミミノウミウシである。
このウミウシはシェリーが見つけて、琴音がi-phoneで撮影した。
僕を入れて三人以外は、見ていない。
動きといい、色といい、大きさといい、30分みてもあきないウミウシだった。
しかし、ここは二の段。
19mもあるので、実際は5分ほどしか見ていない。
残念ではあるが、一月いっぱいはいると思うので、次回のお楽しみである。
あがってくると、沖縄のたいちゃんからお歳暮でもらったビールで乾杯した。
キンキンに冷やしておいたが、外が暖かいので、ちょうどよかった。
このビール、伊江島の麦で作ったらしい。
魚といいウミウシといい今回は沖縄に恵まれていたような気がする。
記念撮影。
いい笑顔。
最後は、伊王島の温泉であったまって、ニセの焚き火であったまって帰ってきた。
これが今年の正月ダイビングの一部始終です。
いい年になるといいですね。
RIO