世界に海に囲まれた島国は日本以外にも多いけど、日本は北海道方面から流れ込む寒流の親潮と沖縄方面から流れ込む世界最大の暖流黒潮という全く違う大きな潮の流れに囲まれていて、池のような日本海、多くの川の水が流れ込む塩分濃度が極端に低い有明海や東京湾、世界有数の深海、駿河湾や相模湾など他の国にはない多様な海があります。
北海道の流氷から沖縄の珊瑚礁まで・・ほかの国にはないその多様な環境は多くの生物を育んでいます。
日本領海面積は世界の海洋面積の0.1%にすぎないのに、日本近海で見られる生物はおよそ3900種で、それは世界で確認されている生物の25%にも及び、日本沿岸の35000kmにも及ぶ長い海岸線には1500種を超える海藻が生育してます。
そのおかげで私たちの住む日本の海は、古より私たちの食にも深くかかわってきました。
そんな私たちの食を支えてきたホームグラウンドの玄界灘の海が近くにあること、そこで多くの海藻や生物の営みが観察できることに、改めて感謝しながら潜ることができたこの日。

ゴールデンウィーク中は悪天候や北風が続いていたし講習が多かったので、なんだか少し久々に志賀島でのファンダイブにカメラも持って入りました、どーも前田です。
この日一緒にファンダイブを楽しんでくれたのはベテランダイバーの3名。

平安時代から食用とされてきたカルシウムやミネラルなどの食物繊維が豊富なひじきを横目にエントリー。

もちろんこのままではアクが強すぎて食べられないので、先人たちは天日で干して乾燥させ、再び水で戻し塩抜きをして蒸して乾燥させたものを水で戻してから調理することで、漸く見慣れたひじきになる。初めてこれをひじきだと伝えるとほとんどのダイバーが驚きをみせます。
透視度はさほど悪くなく、

水中にはホンダワラ類の海藻がいっぱい。

ワカメの先端は水温の上昇で随分と枯れて背も低くなりました。

葉はアメフラシやサザエなどの生物たちの食料となり海水に溶ける。

ワカメの森の中にはアメフラシの卵があちこちに。

志賀島白瀬の海はその時々で見どころが違って面白い。

エントリーするとすぐにあちこちにヘビギンポの姿がありました。

トモさんは真っ黒な婚姻色のヘビギンポがお好きなようですが、まだ婚姻色の個体の姿はありませんでした。
水温が上がりはじめる春先、寄生虫を付けた魚も多くみられます。

これはウミチョウという寄生虫で、宿主の魚の体液をちゅうちゅう吸い上げ、蝕んでいく厄介者。
沖に出ると透視度は落ちるけど、ウミウシやマクロ生物は増えて浅場とはまた違った面白さがありました。

メバルの子供たちやスズメダイが増えた印象で、ラッキーにもタツノオトシゴも観察できました。
大きな目玉が特徴的なヒメオオメアミも出てきました。

ウミウシはすっかり初夏に様変わり。

見たかったハナイロウミウシはサナエさんが小さくてかわいいサイズを次から次に見つけてくれました。

全部で5~6個体みれたかな。

ハナイロウミウシに似たフジイロウミウシも一気に増え、

定番の普通種たちも含めこの日は全部で21種のウミウシを見ることができました。

ウミウシ捜索も楽しめたのですが、この日、個人的に一番目を奪われたのは、アミメハギの卵保護。

通常ならもう少し遅く6月~9月に産卵が行われるアミメハギ。
他のカワハギ科の魚は産みっぱなしなのに、このアミメハギだけはハッチアウトまでメスが卵を守るんです。

卵の周りで砂が舞っても、卵の付いた海藻がうねりに翻弄されても、自分の産み付けた卵を追いかけ、健気にゴミ掃除や外敵からの防衛を行っている姿がとても愛らしかったです。
明日にでも動画を撮影してこようかと思っております。
ウミウシ捜索と生態観察と、見どころ満載のファンダイブ、ご参加ありがとうございました。
5/12(火)
潜水場所:志賀島/白瀬
潜水時間:145分
最大深度:11.3m
透視度:5m
水温:18~20℃
ファンダイブはお好きなダイビングスタイルがあればお気軽にリクエストください。
生態観察・ウミウシ探し・フォトダイブ・地形巡りなどなどご要望にお応えいたします。


